ワールドトリガー 夢小説 | ナノ


ああ、素晴らしき高校生活の始まり始まり





隣の席は





「トリガー起動する時の掛け声ってトリガーオン!じゃなくてもいいんだよ。」

「ホントか?!
つまりトランスフォーム!!でもいいわけか!」

「いいね、それ!!
あれ、でもその掛け声で変形するロボットいた?」

「いや、多分実写の映画ではいないな。」

俺はアリスと屋上で飯を食いながら、取り留めもないことをたくさん話した。
B級にあがるには多分あと少しの俺に、
ポジションは違うがアリスは簡単なアドバイスをしれくれる。
アドバイスの話の過程でどうして上のような話になったかは覚えていない。

学校が始まって数日、今のところまだ本格的な授業は始まっておらず毎日オリエンテーションなどばかりで学校も午前中で終わることが多かった。
偶に午後まである時はこうやってアリスと屋上で昼ご飯を食べるのが約束になっていた。

学校から当然一緒にボーダーに向かうことが増える。
俺は結構四六時中一緒にいられることが嬉しく、機嫌は右肩上がりなわけだが。

「楽しそうだな、お前ら。」

逆に機嫌が右肩下がりしているのは穂刈。
1人だけ学校が違うのが寂しいらしく、偶に俺とアリスが学校の話をしていると、あからさまに不機嫌になった。
めんどくさいやつ、とも思うが逆の立場だとやっぱり俺も寂しいと思う。
現に穂刈がアリスと家族の話をしている時は蚊帳の外感がすごくてすごく寂しい。
だから俺は学校の授業などの話は穂刈に聞かれた時だけ話すようにした。

「荒船くんは優しいね。」

大したことはしているわけではないが、アリスが褒めてくれるからそれでよかった。





「穂刈、お前本当に勉強苦手なんだな。」

「面目ない、本当に。」

高校に入ってから最初の模試。
入学してからすぐにあるこれは中学のまとめの模試だ。
まあここで早速新1年生のヒエラルキーが決まるのだ。
俺はもちろん各教科満点を目指すつもりでやる。

「篤は特に国語とか苦手だよね。
まあなんとなく見てわかるけど。」

「確かに。」

「どういう意味だ、それ。」

「「ほら、それだよ。」」

まだ高校生活始まったばかりだが、俺は相当に楽しんでいた。
そしてこれからも楽しいに違いないと確信していた。
こうやって基地のラウンジの一角を陣取って勉強するのは悪くない。
アリスはもうチームを組んでいるから個別の作戦室があるらしいが、こっちにきて一緒にいてくれる。
それも嬉しかった。

「取らずに済みそうだ、赤点。」

「当たり前だ、俺が教えてるんだぞ。」

「そうだね、荒船くん教えるのうまいし。」

いよいよテストも明日に迫り、穂刈は何とか自分の中で物になったようで、普段赤点ギリギリから赤点らしいが過去最高記録が出そうだと意気込んでいる。

「そうだ、荒船くん。
あたしと明日のテスト勝負しない?」

俺とアリスの通う進学校も明日テストがある。

「おもしれえ。受けて立つぜ。」

勝負事は嫌いじゃない、むしろ好きだ。
それもアリスから仕掛けられたら俺に断る理由はない。

「あたしが勝ったら孤月ちょっと触らせて!」

「俺が勝ったらアリスのトリガー使わせてくれ。」

勝っても負けてもあまりデメリットのない賭け事をしてみたり。
もちろん、俺は負けるつもりはない。
そしてそれはアリスも一緒だった。

「頑張れ、2人とも。」

そうやって最後は穂刈が言ってくれる。

「うん!」

「ああ!」

それに声を揃えて答えるのがもうお約束だった。





テストも終わり、新しい学年、クラスでの順位が張り出される。
俺とアリスで1、2位と上位を独占。
C組のクラス担任には大いに喜ばれた。

だが俺は納得がいっていない。
俺が2位とはどういうことだ。
離れた席に座るアリスにじっと視線を送ると、それに気がついたのかアリスはこちらを見てニヤリと笑う。
なんていいドヤ顏をするんだ、あいつ。

「はーい、じゃあホームルーム始めるぞー。」

担任の教師が教壇に立つ。
テストも終わり明日から通常授業が始まるということで席替えをするらしい。

決め方は昔ながらのくじ引き。
出席番号の一番最初と最後がじゃんけんして勝った方から順に引いて行くとのこと。
俺は出席番号1番、じゃんけんには自信がない。

「荒船くん、じゃんけんよわーい!」

アリスに笑われる。
じゃんけんが弱いとか何となく格好がつかずふっと視線をそらす。

みんながどんどんくじを引いて、どんどん席が埋まって行く。
アリスも既に席に着き、他のクラスメイトと話をしている。

「はい、荒船。最後のくじだぞ。」

そう言って先生がくじをくれた。
最後のくじをもらわなくても、席は最後に空いた席だ。
さあどこかと思って振り返ると、その空席の隣に座る人物と目が合う。

「あれ、荒船くんもしかしなくても隣だね?」

何と最後の席はアリスの隣の席。
しかもアリスは窓際なので反対隣には当然人がいない。

俺だけがアリスの隣の席だ。

「すごい偶然だね!」

「ああ、そうだな。」

俺はさっと席に着く。
机の調子を確かめるふりをして少しだけアリス側に机を寄せたのは言うまでもない。

「これからもよろしく映画オタクくん♪」

これが俺とアリスとの楽しい楽しい本格的な高校生活の始まり。

同じ高校の同じクラスの友達から、同じクラスの隣の席の仲の良い友達へとぐっと距離を縮めた、そんな日だ。










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2015.5.16
お待たせしました、第3話です。
荒船さんアリスさんのこと好きすぎですね(笑)
diaryにてちょっとネタ


※お返事不要の方はお申し出お願いします。


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