ワールドトリガー 夢小説 | ナノ


全くホントに可愛いやつだ。





背中合わせ





「あーらーふーねせんぱーい!」

「重い、アリス。」

「酷い!」

休日、俺は久しぶりに防衛任務が休みだった。
俺にとっては、というよりボーダー隊員にはそれは珍しく、俺は読み溜めてた本を消化しようと自室で過ごしていた。
そこへやって来たのは同じくボーダー所属の桐島 アリス。俺の彼女。
隊は違うのだが早朝の当番だったようで、任務が終了した後早々に俺のところへやってきた。

この懐きっぷりは嫌いではない。
私も一緒に本読む!とやってきたときの可愛さったらない。
しかも隣ではなく、俺の後ろに背中合わせに座るのもまた可愛らしい。

まあ何が言いたいかと言うと、俺は結構アリスのことが好きだということだ。

「どした、まだ読み始めてから1時間も経ってねえぞ。」

背中に寄りかかる重力に耐えつつ、本を読み続ける。
ペラリと本をめくる音だけが部屋に響いた。

「そう、ですけど。」

俺がそう言ったのが気に入らなさそうに、アリスは俺へ寄りかかる力を弱めた。
背中からもペラリと本をめくる音がする。
だが態度に出ている、本をめくる音も心なしか渋々と言った様子だ。

何が気に入らないかって、そんなのはわかりきっていた。
久しぶりの休み、ゆっくりできる、そして部屋は2人きり。
アリスとしてはもっと俺に構ってほしいんだろう。

あまり表には出さないが、これでも俺はアリスを溺愛している。
そんな彼女と2人だぞ、俺が何をどう我慢してるかは察してほしい。

「…もうちょっと構ってくれたっていいじゃないですか。」

だが俺のその我慢を無駄にするように、背中からこんなことが聞こえたら。

まあもう我慢はしないよな、とりあえず。

「ふわ!」

俺が急にその場からどいたので、アリスは勢いよく後ろに背中から倒れこんだ。
頭は打たないようにとりあえず配慮してやって、俺は素早くアリスの上に跨る。

「あ、荒船先輩?!」

アリスの細い両手首を、俺の手で押さえつければもう逃げられない。
俺の下で焦って暴れまわるアリスだが、これはなかなか絶景だ。
逃がすはずもない。

「何だよ?」

「な、何だよじゃないです!ど、どいて!」

「嫌だね。」

そう言って俺はアリスの唇を塞ぐ。

「構ってほしいんだろ?」

「ふ。こ、こう言うのじゃなくて!」

「じゃあキスしなくていいのか?」

「っ!!」

こういう言い方が狡いのは知っている。
アリスがこれを拒まないから、俺もまた調子に乗ってしまう。

「キスは、してほしいです。」

こう言うこと言うからやめられない。

「何回でもしてやるよ。」

そう言って俺はもう一度アリスに口付けた。

この後どうしたかはまあ深く説明はしないが、俺はアリスに全力で構ってやったと言うことだけは言っておく。










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2015.5.5
すみません、ただ荒船さんに強引に迫ってほしかっただけなんです。
でも反省はしていませんっ!

※お返事不要の方はお申し出お願いします。


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