唯一勝てること


◆ ◇ ◆


「委員長、いい加減負けを認めて下さい」

「うるさいな。この僕が負けるなんてありえない。もう一回」

「もう一回もう一回って、もう10回目じゃないですか!!いい加減指がつりそうです!!」


はーい。みなさんこんにちは。今の状況を簡単に説明しますよーいいー?ちゃんと聞いててねー

委員長が壊れた。


分かったかな〜?


「ちょ、殴らないでください」

「聞こえてるから」


「読めてるからの間違いじゃないですか?」


「フン」


鼻で笑いやがったこいつ!

まぁね、原因は私なんですけどもね。体力はもちろんのこと勉強にしても、何一つ委員長にかなわない私。

ちょっと悲しくなってきたから、これまでの復讐だ!と思いたって委員長にゲームのコントローラーを投げつけて宣戦布告し早1時間。

簡単な格闘ゲームにもかかわらず、普段委員長はゲームをしないということに加えて、熟練された私のコントローラーさばき。(決してゲームばっかりしてるわけじゃない。決して。)

まぁ、委員長がかなうはずもなく。私の圧勝。んで、この状況。


「だぁかぁらぁ〜〜!そこでちょっと間を取ればいいじゃないですか!」

「僕は自分から逃げるような真似しない」

「変な意地はってるとまた負けますよ〜〜」


そして、そのあとすぐに画面に現れたK.O.の文字。まぁ、私が勝ったんですが。

あ、ちょっと隣の人!黒いオーラを背負わない!どうせ背負うなら薔薇背負ってなさい!…ゴメンナサイ。ものすごく似合わない。

まぁねーこの真っ黒男が薔薇しょってもねー


「…もう一回」


もう一回、もう一回。

でも、この時間が楽しくてわざと本気を出してしまったりそうでなかったり…





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