少女が語る真実
「ふふ…そうね、貴方達ならぴったりかもしれないわ」
ファミリーが集まり始めてきたのだと、レフィに報告したのはいつだったろうか。彼女は嬉しそうに微笑むと、意味深な言葉を言った。ジョットは、首を傾げるが、レフィはそれ以上何も言おうとしない。
ただ、一言つぶやいた。
「そうね、近々私の娘に持っていかせましょう。私によく似てとってもかわいいから、すぐにわかるはずよ」
親馬鹿だ。と思ったジョットだったが反論してもレフィに口でかなうはずがない。そうか、とだけ言ってその日は分かれたのだ。そしてそのあと、領地がどうの戦力がどうのとバタバタしていたため、レフィの呟いた意味の分からぬ言葉の言葉度記憶から抜け落ちてしまっていたのだ。
それはもちろん、その日のうちにジョットから話を聞いた他六人もまた然り。若干二名ただ単に興味がないだけというようなものもいるようだがこの際そんなことは関係ない。
何より重大なのは、レフィの言葉を自分たちが忘れてしまっていたということで。
しかも、一時はその少女を侵入者として扱ってしまったということで。
しまいには、レフィの娘である少女に手錠までかけてしまった。
果たして自分たちは無事で済むのだろうかと、延々とジョットは考えている。
アラウディやスペードは早々に自室へと引き上げてしまった。Gはナックル雨月は別として、珍しくランポウが自分たちと一緒に食卓を囲んでいた。
そして、ジョットの苦悩などいざ知らず次々に出される料理をおいしいおいしいと大絶賛しながら胃袋に納めていくこの少女。名をラピスという。
「ジョット、これおいしーね!」
元より堅苦しいのは苦手なのか。最初の礼儀正しい言葉遣いはどこに行ったのか、今では本当に四歳の少女だ。
「それで、ラピスさっきの続き話してもらえる?」
「いいよ!!」
そう言った少女は、フォークにくるくると巻きつけた最後のパスタを口に入れて飲みこむと話し始める。
「あのね、これは運命なの」
言葉づかいこそ子どものものだが、少女の瞳に大人びた光が宿った。
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