失望するのは呆気なく



自分の心の中で、密かに一つ答えを出すとラピスはツナ達に向き直る。

そして、話の続きをと促すと、すこし話しにくそうにしながらも、ツナは切り出した。



「まず、聞きたいのは君と初代の関係。覚えてる?眠る前に、ジョットって呟いてたんだ」



自分は、無意識のうちにそんなことをしていたのかとラピスは頭を抱えたくなった。こんなことで、よく今までばれなかったなと思う。

でもまぁ、隠す必要ももうない。ラピスは素直に話し始めた。

否、話し始めようとした。









ラピスが口を開いたと思ったその瞬間、アジトが揺れる。次いで、襲撃されたのだと理解した時にはもう、目の前に小さく縮小化された白蘭のホログラムが現れていた。



『皆で仲良く、昔話しようとしてるとこ悪いけどラピスチャンの事綱吉クンたちにしられるとちょっと不味いんだよね――』



だからさ、と白蘭は笑みを浮かべて次の瞬間恐ろしく冷徹な表情に変わる。



『予定変更。ちょっと早いけどボンゴレの殲滅開始〜〜♪』


「なっ!?」


「何勝手なこと言ってやがる!!」



息をのむツナに、声を荒げる獄寺。ほかの面々も口にこそ出さないものの、思っていることは同じだろう。皆一様に、ひどく険しい顔つきをしている。



『それじゃ、ラピスチャン。早く出ておいでよ。待っててあげるから、さ?』


「何勝手なこと言ってんですか―」


「うしし、そう簡単にラピスのこと渡すと思った?」


『そっか、じゃみんな死ぬんだね』



あっけからんと言い放った白蘭の言葉に、どういうことだとスクアーロが声を荒げる。



『だって、ラピスチャンが……終焉の守り人だから。終焉の守り人が生きてると、この世界は終焉への道をたどることになる』



冷たい瞳をしてそう言った白蘭に、全員がふざけるなと声を荒げる。否、ツナ以外の者たちは否定した。



『綱吉クンは分かってるみたいだね♪』



ツナの中のボンゴレの勘が告げている。終焉の守り人は真実存在していたもので、それが存在する限り、この世界は終焉へと導かれる。



「ほんと、なの?ラピス……」



恐る恐る、ラピスの方へ視線を向ける。するとそこには、酷く虚ろな瞳を持ったラピスが、静かにツナへと視線を向けていた。















あぁ、こんなにも早く裏切られてしまうとは。















その瞳の奥、確かに憎悪の炎がチラリと煌めいた。





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