炎の揺らめきは星のごとく
そして、パァアと辺りを紫色の炎が照らしだす。もともと部屋が薄暗かったこともあってか、光はとても美しく見えた。
ルッスーリアは、こんなきれいな炎はみたことがないと言っている。ほかの幹部たちもあまりのことに言葉を失っているようだ。
「こんなもん…ですかね」
そういって、炎を消して、息を吐き出す。疲れた。と言っても、本当の力なんてこれっぽちも出してないから、弱い炎圧を保つのがきつかっただけなのだが。
そして、それでも尚リングは燐光を放ち続ける。ラピスの体から無意識に放出される波動をリングが炎へと変えているのだ。
「本当、すごいものを見せてもらったわぁ…」
まだ、感動の余韻が残っているのか、呟くような声でルッスーリアがラピスをほめる。
そして、それを皮切りに、他の幹部たちも次々とラピスのことをほめ始めた。
「しししっさっすが」
「う゛お゛ぉおい!やるじゃねぇか!!」
「うむ…美しい炎だった…」
口々に皆がラピスへ賞賛を送る中、はたと何かに気が付いたのかフランが口を開く。
「そういえばー雨と嵐の炎も使ってましたよねー?」
思い出したように言うフランの言葉に周りの全員が一気にラピスの方を向く。
「う゛お゛ぉい!!そうなのかぁ!!」
「は、はい。一応…」
ものすごい剣幕のスクアーロに若干気圧されながらもうなずくラピス。
でも、このすぐ後に無理やりにでも否定しておけばよかったと後悔することになる。
「あれ?でも、紅雪サンリング持ってませんでしたよねー?」
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