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「楓ちゃぁあああああああん!!」
「ごは……ルッス姉ぇえええええええ!!」
「今お前、ご飯って言おうとしたろ!」
うっさいな前髪!
細かい事をぐちぐちぐちぐちと!
嫌だね、そう言う男。
「聞こえてるからな!?」
「うっわ。人の心除くとかマジアリエナイ。爆ぜろ王子」
爆ぜろリア充。リア充爆発しろに続く名言を残そうとした私。いくね!これいくね!
と一人自分のセンスの良さに感動しているとあれ、何かがおかしい。
王子もどきが言い返してこない。
「……ドンマイ」
「は?」
ドンマイ。ドントマインド。元気出せよ!心配すんなよ!なんかそんな意味の言葉だったような気がするがどうだろうか。
いや、それよりも。
何故一歩後退した王子。
何故後ずさった王子。
「……楓」
……………嫌な予感がするお。死亡フラグだお。
可愛くないってか!あぁ分かってるさ!でもなこんなテンションじゃないと後ろから迫りくるブラックオーラに耐えられそうにないんだよ!
無視、無視か!無視をすればこの危機を脱せるのだろうか。
「僕を無視するなんていい度胸だね」
「サーセンッしたぁああああああああ!!」
ムリですた。より強固な死亡フラグが設置されただけであった。
「いや、本当すいませんでした。反省してます。だからどうにかして恐ろしく恥ずかしいのだよ」
「黙れ」
「ぬあ!酷い!」
何故、何故私はヴァリアー城(ヤベェ探検してぇ)にいるのに正座してるのだろうか。
委員長に怒られているのだろうか。
「楓ちゃーん!ご飯食べていくー?」
「食べるぅううう!うぎゃあああ委員長イタイイタイ!!」
何故、何故。
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