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「そりゃね委員長。確かに寝ている人を起こさないようにとか、職員室の前を通りかかるからだとか、ママンに0点のテスト見つかった次の日の朝とか、人間誰しも足音を立てないように努力することはあります」

「後半は君の日ごろの行いのせいだよね」

「でもね委員長よく考えて見て下さい。葉っぱが落ちるような音でも起きるっていうあなたが起きないように歩くのは人間には不可能です」

「草壁は足音立てないけど」

「草壁さんは人間じゃありません。リーゼントの申し子です」


つか草壁さん足音立てないのかよ!怖いな!!

それじゃあれか、応接室で昼寝してていつのまにやら机の上に書類が盛りだくさんっていう事態も無きにしも非ず!!!気をつけねば。

ってそうじゃなくて。


「だぁかぁらぁ!!私が言いたいのは……言いたいのは…なんでしたっけ?」

「僕に聞かないでよ」

「いやいや、委員長なら心読めるじゃん。ちょっと私の深層心理とお話ししてきて。んでもって、ミーが何に対して怒ってたのか聞いてきて」

「ふざけるな」

「一刀両断ってまさにこのこと!!」


くぅっと目頭を押さえながら泣き崩れるマネをすると委員長がこちらに近づいてくる。

おっ!騙されやがったな!みたかこの楓ちゃんの演技力を!!


「……………」

「って、おいいいいいいい!!食うな!人が持ってきた飯を無言で奪って無言で食うな!!」

「冷めてる」

「そりゃそうですよね!!貴方がぐちぐち無駄口叩いてましたからね!!あ、無駄口叩いてたのワタクシじゃないっすか。やっべー墓穴掘るところだった」

「取り替えてきなよ」

「ヤダよ、めんどい」


むむむむむぅっと睨み返してみる。

怖い。


「仕方ないっすね。この部屋備え付けの電子レンジとかないのかな?」

「ある訳ないでしょ。そんなもの」

「あ、あった――!」


何故、委員長が泊まる部屋に電子レンジがあるのかとか聞かないでね。きっとあれなのよ。マフィアの伝統にあるのよ。

客室には電子レンジ。これ鉄則。みたいな。


「電子レンジさん大好き―――!!」

「はぁ……」


後ろで委員長のため息が聞こえた気がした。

聞こえなかったことにしてみた。




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