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そして、やってきました土曜日!こんにちはイタリア!おいしかったよ機内食!初めまして本場のピッツァ!!

飛行機降りてすぐにそう叫んだら委員長から殴られた、なにゆえ。

ちなみにツナはもうすでに、会場についているらしい。何でも、昨日学校が終わるやいなやイタリアへ向かったらしい。私が仕事している時に何てことだ!

出遅れてしまったぞ!ちゃんとイタリアについたらやりたいこととかメモにまとめてきたんだ!頑張って全部遂行する!


「よし!!委員長、まずはピザ屋めぐりを始め、ちょ!!どこ行くの!待って、おいてかないで!!」


危うく置いていかれるところだった。なんてことするんだ委員長は。勝手にどっかにずんずんずんずん進んで行って。迷子になっても知らないからな!

自分は絶対に迷子にはならないって思ってるやつが一番危ないんだからな!!


「ザマァみやがれ委員長!!」

「そんなに日本に帰って仕事したいなら早く行ってくれればよかったのに」

「あぁあああ!ごめんなさい!ごめんなさい!嘘です!嘘です!もう何も言いません!!」


危ない危ない。日本に連れて帰られるところだったよ。

ちなみに委員長は本当に道を分かっているのだろうか。ディーノさんが迎えに来ると言っていたのに勝手に空港を離れてもいいのだろうか。

いや、そもそも中学生が保護者無しで飛行機乗るって常識的に考えてどうなのだろうか。

あ、委員長だからいいのか。


「でー委員長何処いくんすかー」

「君、その格好で行くつもり?」

「ん?」


改めて自分の服を確認してみる。うむうむ、今日も立派に平凡な私服ですな。

可愛いひらひらスカートなんてはけないし、かと言って綺麗なお姉さんが着る様な服だってきれやしない。

何か、委員長はこの平凡な服を行けないと言っているのか!?ならばどうしろというのだ!言っておくがな、私にひらひらスカートとか似合わんぞ!!


「あぁ!!男装しろと!」

「…意味のわからないこと言わないでよ。パーティーは正装するのが普通でしょ?」

「せいそう?それって「掃除とか言わないでね。別に面白くも何とも無いから」ごめんなさい」


酷い。酷過ぎる。

でもまぁ、とにかく委員長が言いたいのは服をバージョンアップさせろってことだね!いうなれば、初期装備の布の服じゃなくて、勇者の鎧とか着ろってことだね!

そう言って、委員長が向かったのは駐車場。何故だかそこにはディーノさんの部下だと名乗る男の人がいた。確か名前はロマ、ロマーリ……ロマさんと呼ばせてもらうことにしよう。

ロマさんが言うには、これから服を買いに行くらしい。しかもそれは事前に決まっていたことで委員長は知っていたらしい。何故自分だけ知らないんだ!ちょっとハブられたような気がしないでもなかったがまぁ服が買ってもらえるならそれで良しとしよう。

車に乗り込み、連れて行かれたのは大きな大きな服屋さん。いや、この店を服屋さんと呼ぶのは少し失礼な気がする。なんていうのかあれだ。セレブごようたし!!みたいな肩書がすごい似合いそうなお店。

しかもなぜだか貸切だった。あ、委員長のせいか。

呆気にとられながらもふらふらと店の中に足を踏み入れると眩い光に目がくらむ。おおふ、シャンデリアか。

え?


「委員長、何で服売ってるとこなのにシャンデリアがあるの?」

「…………」

「無視!?無視なのかい!?ねぇ委員長ってば!」


何故、委員長は無視をする!しかもそこの定員のお姉さん!くすくす笑ってないで!別に微笑ましい光景でもなんでもないからね!?


「とりあえず、こいつらの服見立ててやってもらえるか?」


ロマさんがそういうと、お店の人たちはかしこまりましたと言って私を試着室に連れて行くと次々に服を運んでくる。

や、待って!すとっぷぷりーず!

あれよあれよと流されるままに試着してはお披露目して試着してはお披露目して、ようやく決まった服は何やらとてつもなくキラキラしていた。


「こちらで決まりですね!とてもよくお似合いですよ!(イタリア語のため楓ちゃんには通じてません)」

「……?」


イタリア語…なのだろうか。これは宇宙語とかそういうたぐいのものなのではないだろうか。だって、こんな摩訶不思議な言葉が同じ地球の上にある言語なんて信じられない。

つい最近まで英語でさえ疑ってたほどなのに。


「んじゃ、決まりだな。ほらパーティーが始まっちまう。早く行くぞ」


待っておくれよロマさん。そんな急に決めないでおくれよ。だいたいこんなキラキラの服を着て人様の前に現れるなんて申し訳ないぜ!


「あ、ちょ!!引っ張んなよ委員長!うお、委員長スーツだ!キモい!似合いすぎてキモい!あぁああ!ゴメンゴメン!!」


スーツへと装備を変更し悪魔へとジョブチェンジをした委員長は、私の腕をつかんで駐車場へと進んでいく。痛い痛い。腕が限界突破しちまうよ。

ずるずると半ば引きづられるようにしながら委員長についていく。

マジでイタイな。つか、この痛みに耐えてるってうちすごくね?偉くね?


「つか委員長何気にスーツにあっててムカつく。なんか違和感がない。ムカつく」

「褒め言葉として受け取っておくよ」

「何そのポジティブシンキング!!」


全くこいつは。偉そうにしやがって。あ、偉そうにしてるからスーツが似合うのか?(絶対違います)

とりあえず、パーティー会場まであと少し!!



車の中



「委員長、委員長ミーは?ミーは服似合ってる?」

「…………自分で鏡よく見て見れば」

「え、何それ!傷つく!いくら私の図太い神経でも傷つく!!」

「…似合ってないとはいってないでしょ」

「え、じゃあ似合ってるの!!?」

「……………ハァ」

「なんで溜息つくのぉおおおおおおお!!」




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