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「よう!恭弥に楓元気にしてたか!!」

「跳ね馬帰れ」

「ディーノさんお久しぶりー」


意気揚々と応接室に現れたディーノさんに早速はよ帰れ発言してる委員長を横目に私はブンブンと手を振る。ディーノさんはね、毎回こっちに遊びに来るたびにイタリアのお土産くれるから好きだ。しかもそのお土産がお菓子だからもっと好きだ。


「ほら、楓」

「いやっふぅ!!さっすが!さすが紳士!ジェントルマンだね!」


早速、包装をビリバリと破いて中のお菓子を取り出す。おお!チョコさんじゃないっすか!クッキーさんじゃないっすか!


「むぐむぐほへれひーのはんはほーひてひひほんひひはんれふかむぐむぐ」

「楓、全部食べてから喋りな」


委員長からのお言葉。うむ、お前は母親か。残念だがお母さんポジションには草壁さんがいるからな。委員長が奪還するのは難しいぞ!なぜなら草壁さんだからな!!


「ディーノさんはどうして日本に来たんですか!!」

「ん?可愛い弟子の様子でも見に来ようと思ってな」

「仕事サボってるだけでしょ」

「恭弥!そういうこと言うんじゃねェ!楓が信じちまうだろ!」

「へーディーノさんお仕事何やってるんですかー!」

「え、いや、それはそのだな…」

「マフィアだよ」

「恭弥!?」


おおふ、ディーノさんが驚いている。うむ、珍しいからもう一回言っておこうか。ディーノさんが驚いている。しかも、マジで焦っているこれは尋常じゃない焦り方だ。


「はぁ、この子知ってるから」

「イェイ」

「は?」

「ちなみにリング争奪戦の時ヴァリアーにもあってたんだって」

「はぁ!?」

「えへへへ!すげぇだろ!」


そういうと何故か安否を確認された。なんか、お前本物だよな!?とか言われた。偽物なわけあるかボケェ。


「ところでディーノさんマジで何の用なんすか?委員長の機嫌が急降下中でちょっと迷惑」

「ん?今日はな、お前たちに嬉しい知らせを持ってきたんだぞ!」

「いらない帰れ」


速攻で返す委員長にディーノさんは呆れ気味で肩を落とす。やっぱりだめか、みたいな表情してる。可哀そうに。大の大人がここまで打ちのめされるなんて。


「まぁ、参加も強制じゃないしな……そうだ!せっかくだから楓来ないか?」

「どこにですか?」


意味が分からないよ。一人で言って一人で盛り上がってるよ。そうだよな!楓もマフィアのこと知ってるなら大丈夫だよな!対して危険がある訳でもないし!!とか馬鹿でかい独り言をつぶやいてる。

この人大丈夫だろうか。

もしかしてこの人、テレビとかに向かって話しかけちゃう人じゃないだろうか。どうしよう見て見たい。テレビに話しかけるディーノさん。


「ボンゴレ主催のパーティーだよ。ツナ達はもう招待されてるはずだしな!一緒に来るか?」

「……………ご飯は?」

「ボンゴレ専属の一流シェフがいてな、そいつが「行きます!!」


マジか!一流シェフ!!きっとものすごい料理が出るんだぜ!生焼けの肉とか食えちゃうんだぜ!!

無駄に皿がでかいのに料理がちびっとしか乗ってない料理とか出るんだぜ!!


「楓、それ以上言っても君の頭の弱さが証明されていくだけだからそのくらいでやめておきな」

「心読むなよ委員長!!」

「それに誰が行って良いって言った?」

「駄目なの!?」


何で!なんで委員長にダメって言われなきゃいけないの!?お前は、私の父親か!!

ちょ、委員長、母親キャラと父親キャラあんたはどっちにつきたいんですか全く。


「当たり前でしょ」

「何で!?なんで委員長にそんなこと言われなければならないのだよ!!」

「跳ね馬、そのパーティーいつ?」

「ん?来週の土曜だが」

「……その日は風紀委員の会議がある」

「そんなのウソだぁあああ!だって来週の会議、金曜日にするって委員長言ってたもん!次の日土曜日だからうまくサボれないかなって思ってたから間違いないぞ!!」

「へぇ、そんなこと思ってたんだ」

「げげ」


しまった!私の口!目先のパーティーに気を取られて何たる失言!!委員長にサボリン計画を悟られるとは何たる不覚!!


「でもよ、恭弥金曜に会議やる予定ってのは本当なんだろ?」

「………」


い、委員長が黙ったぁあああああ!すげぇな!すげぇなディーノさん!委員長を黙らせるとかパないな!強いな!実はヘタレはキャラづくりなんじゃないか!?(楓は部下がいるモードのディーノさんを見たことがありません)

「僕も行くから」

「えぇえええ!!委員長どういう風の吹き回し!?」

「うるさい黙れ」

「理不尽!!」


委員長はマジでよく分からない。でもまぁ、とにかくパーティーはいけるみたいなのでうれしいです。

やっぱりディーノさんは紳士だと思いました。




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