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ヒュォオオオオと荒野に風が吹き荒れる。生きとし生ける全てを拒絶したようなその場所で、相対する人影たちが見える。片側には、三人。それに相対するように、六人。

強い殺気を放ちながら、互いに寸分の隙も見せずに睨み合う。










「とかいう状況で、戦争したらきっと皆盛り上がると思うんですよー!あ、テレビで放送します?」

「そんなことの為に予算使ってられないよ」

「えぇええ!そこはほら!国王なんだから色々どす黒い金いっぱい持ってるんでしょ?」

「だから、こんなことの為に使うのは持ち合わせてないってこと」

「どす黒い金持ってるってのは否定しないの!?」


恐ろしい子っ!とお決まりのあの顔になる。んでもって、一応自己紹介します。皆さんこんにちは。カエデでごぜーます。

最初はシリアスが始まるんじゃないかとドキドキされた方もいらっしゃったんではないでしょうか。あ、そんなことない。それはよかった。紛らわしいことしてんじゃねーよって石投げられたらどうしようかと思いました。

あ、管理人がナレーション変われとうるさいのでワタクシこの辺で失礼させていただきますわ!!





はい、という訳でここはナミモーリ。只今作戦会議中なのでございます。決戦は明日に迫っているというのに、何と緊迫感のない会話でしょう。そして、皆様お気づきでしょうか。あの人がいないことを。


「あ、そう言えば国王様。ヒバリがいません。きっと寝坊してるんですよ。起こしてきてあげましょ」

「君じゃあるまいし」

「即座に否定されたぁあああああ!!」


そう、いないのです。ヒバリンが。

何処にもいません。いつもは群れるな群れるな言いながらも会議には一応参加してるヒバリさんがいらっしゃらないのでございます。


「あ、ヒバリなら先にヴァリアー帝国向かってるよ」

「はぁああああ!?」

「偵察でもお願いしようかと思って」

「偵察!?抹殺の間違いじゃなくて!?」

「あはははは!面白いこと言うね!」

「ふざけんな!お前の頭の方が面白いわ!!」

「何か言った?」

「イエナニモ」


という訳で、このままじゃヒロインがいないままヴァリアー帝国壊滅しちゃいそうなんで、急いで向かいたいと思います。








ヒュォオオオオと乾いた風が吹き抜ける。ヒバリは、前に立つ二つの影を見ると、眉をひそめた。

何だあれは。いや別に、ヒバリの目がおかしいわけではない。目の前にあるあの珍妙な生物がなんだと聞きたいのだ。

アレハそもそも人間なのだろうか。

そんなの認めてやるわけにはいかない。あんなのが人間だったら、きっと猿とかゴリラとかも人間だって認めてやらなきゃいけなくなる。

そう思って僕は、そっとトンファーを構えた。


「ちょっと、そこで君の悪いナレーション入れてるやつ。出てきなよ」


僕が見つけたのは…て、ちょまっ!!何で委員長こっち見てるの!?あ、委員長って言っちゃったよ。

何でヒバリンこっち見てるの!?

気づかれてる!?マジで、あわわわわどうしよどうしよ!!


「ヒバリ、援護する!お前は進め!!」


バッと銃を構えるポーズをとりながら言う。もちろん銃なんて持ってないからMYハンドで銃の形を作ってるだけだが。

一回こういうセリフを言ってみたかった……と心の中でカエデは思う。


「………あの時は仕留め損ねたからね、今日こそ咬み殺す!!」

「え、ちょっと委員長。原作で合ったような口ぶりですね。どういうこと?」

「うふふ♪相手してあげるわ〜〜♪」

「え、ちょっとオカマさん、何でそんなノリノリなんでしょうか」

「ボスのため……この先を通すわけにはいかん!!」

「あ、お前はちょっと黙ってろよ」

「なぬぅ!?」

「あ、キモい。すごくキモい」

「カエデ、手ださないでね」


いや、手出すなて貴方。瞬殺してらっしゃるじゃないですか。手を出す間もなく瞬殺してらっしゃるじゃないですか。


「いくよ」

「え、このまま乗り込むんですか?」

「当然、猿山のボス猿を咬み殺さないと帰れないよ」





次、最終決戦……になるといいなぁ




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