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「楓、僕ちょっとあっちの方に無駄に群れてる不良見つけたから咬み殺しに行ってくるね」


はい!こういう小説でよくある「彼氏がいない間に彼女が名もない脇役Аが絡む」っていうやつですねー。

でも、普通こういう時はジュース買いに行ってくれたりしてくれるもんじゃないのかな〜?思いっきり自分の欲望っつーか破壊衝動の赴くままじゃねーか!!

んでもまぁ、お決まりなわけですね。はい。いますよー目の前にキンキラキンの不良さんですよ〜〜しかも二人。


「あれ〜お姉ちゃん一人〜〜?」

「ごめんねぇ、お爺ちゃん。病院はあっちにあるんだけど、一人で行けるかな〜〜?」

「お爺ちゃんじゃねぇよ!なめてんのかテメェ!!」


あ゛ぁ゛ん!?と眉間に凄い皺を寄せてガンを飛ばしてくる不良А&B。怖くねぇぞ。逆にキモくて吐き気が。


「何のご用ですかー」

「やる気ねぇ返事だな!」

「こちとら、お化け屋敷でこれから十年かけて使うはずだった脳細胞を全部使い切っちまったんだよ」

「意味が分からねぇこと言ってんじゃねェぞ!!」


いや、お前の頭の方が意味わかんねぇよ。とは口に出さない。なぜなら私は大人だから。無駄な争いを生み出すことなんてないよね!平和が一番。


「口に出てんだよゴラァ!!」

「あらら」

「あららじゃねーよ!」

「というか、あんたたちみたいな脇役に1ページ使うほどこの小説は親切じゃないんで、さっさとご用件をどうぞ」

「姉ちゃん一人なんだろ?」

「俺らと遊ばね?」

「うわ〜〜どっかから持ってきたようなセリフー」


脳みそない奴らだな〜〜とか思ってたら、そいつがいきなり泡吹いて倒れた。うわ、ちょ!コッチ倒れてくんな!!

慌てて、右側に体をそらして避けると男はズデンと私の座ってたベンチに倒れる。あ、過度に頭ぶつけたいたそ。


「何やってるの?」


うわーーい!!般若がきたーーーー!!

殺されるぅうううう!!


「楓、何で反撃しなかったの?」


般若っていうか、あれ?これ閻魔大王じゃね?おっそろしいんですが。地獄を支配してそうなんですが。

やめておくれ。まだ死にたくないのだ。


「反撃したら、読者が待ちわびてる展開をみすみす潰すことになると思ったのだった」

「意味が分からないよ。大体君ならこんな奴ら一撃で殺れるはずでしょ?」

「字が恐ろしいのだった。そして、いい加減甘要素がないことに気が付いたのだった」

「そろそろ、その変な語尾やめないと咬み殺すよ?」


ごめんなさぁああああああい!!

ものっそい勢いで叫んで、委員長の攻撃が当たらないところまで、後ろに跳ぶ。


「んぎゃ!?」


ぶつけた。後ろの電柱に頭ぶつけた。あれ?何で遊園地に電柱なんてあるんだよ。てか、あれ?

電柱動いてね?「はひっ!?」って声がしたのは気のせい?うん、気のせいにしておこう。


「はぁ、馬鹿だな。心配かけないでよ」

「え!?」

「とか言えば満足?じゃあ次から反撃してね」

「うぇえええええええ」

「うるさい」


本当は心配(?)していた雲雀さん。照れ隠しにあんなこと言った雲雀さん。やっぱりツンデ……殴るな委員長!!!



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