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という訳で、メリーゴーランド前です。

人がいっぱいいます。てか子供がいっぱいいます。

そんな子どもたちに続いて私も一番カッケェ馬に乗ります。委員長はその後ろの奴に乗せました。

さぁ、始めますぞ!!


「ふははははは!!この俺に続け野郎どもォオオオオ!!」

「「「「「キャー――――!!」」」」」


委員長のさらに後ろに乗った男の子たちが元気よく叫び声を上げる。うむ!最近の子どもにしてはノリがいいではないか!!


「次の戦地は、山の上!馬から振り落とされる出ないぞ!!」

「「「「頑張る―――!!」」」

「振り落とされるわけねーだろばーーか」


ん?なんかふてぶてしい声が聞こえたぞ?委員長にしては声が高いしな。

ちらりと後ろを振り返ってみれば、ハッて鼻で笑うような感じでこっちを見てくる少年一人。うん、凄く憎たらしい。


「謀反じゃぁああああああああ!!」


そう叫んで、私は馬の手綱を取りそのまま謀反を起こしたものへと突撃を……


「ちょ、何すんですか委員長!!戦地に赴く途中で馬から降りるとは何事ですか!!」

「さっさとおりるよ」


そう言って、私を馬から強制的に降ろす。ちなみに私は委員長に腹を掴まれて持ち上げられてしまったわけで。あれだよ、いわゆる高い高いの状態だよ。

しかもさっきまで、ノリノリだった子どもたちが「あのお兄ちゃんのほうがつよーーい!」「お兄ちゃんに続けェえええ!!」とか言い始めちゃってるよ!!

ヤベェ下剋上だ!!

そんなこと考えてる間も、まだまわり続けているメリーゴーランドの上からひょいっと飛び降りる委員長。

そもそも、メリーゴーランドの上から飛び降りれるのか?とかは聞いちゃいけないよ!!

良い子はマネしないでね!!


「……………」

「あ、あれぇ〜?ねぇねぇ雲雀さん。なんか目の前にお化け屋敷が見えるのは気のせいかなぁ〜〜?気のせいかぁ〜〜!びっくりした――!」


無言でお化け屋敷に足を踏み入れるでない!!

お化けは、お化け屋敷はだめなんだぁああああああ!!!

なんて私の抵抗もむなしく、ヒュー―ドロドロドロドロとお決まりのBGMが流れる中委員長は涼しい顔でお化け屋敷にの扉を開く。

ギギ…と鈍い音を立てて扉が開いた。と思ったら入口の女の人が手元にある赤いボタン押してた。きっとギギ…て音立てる奴だ。

あ、隠した。

とか何とか、私がお化け屋敷の裏事情を垣間見ている間に委員長がずんずん進んでいく。そりゃあもうものすごいスピードで。しかも私の腕を掴んだままだから、自然とぐいぐい引っ張られるままに私もお化け屋敷の中へ………


「ねねねね!いいんちょ、やっぱもどろ!その方がいいって!」

「絶対やだ」

「声が怖い―――!」


そう言いながらも私の体はこれから自分はどうなってしまうのだろうという恐怖で震える。だって、だって……お化け屋敷来ると毎度毎度お決まりのように私はある状況に陥ってしまうのだ。

それは、ふつーの女の子の様に泣いちゃう!とか、きぜつしちゃう!とかじゃなくて。


≪う〜〜ら〜〜め〜〜し〜〜や〜〜〜〜≫


「……」

「……」

「何やってんの?」←※楓


≪え…?≫


そう、私は恐怖が限界突破すると、なんかしんないけどものすごい冷静になっちゃうんです。

この前、れん兄とりゅう兄と一緒にお化け屋敷来た時、ものっそい怖くて半端なくて、途中記憶飛んで、お化け屋敷出たら、れん兄が半泣きでりゅう兄がやるなって、いいながら眼鏡くいってしてたんだよ!!

だから、ここにはきたくなかったんですー

対して美味しい展開とかまってないから、読んでる人ががっかりしちゃうこと見え見えなんですーー


「……ほんとにさ、君ってヒロイン?ヒーローの間違いじゃなくて?」

「それは地味に失礼だぞ雲雀君」

「………(気持ち悪い)」


おばけやしき。これ以上いてもおもろいことおこんないんで撤退。







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