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………ってことで、こういう感じで遊園地回ってみたいと思いますですハイ!

あれ?皆なんできょとんとしてんの?

ちょ、誰だよお前出てくんなっていったの!!え、てことは皆様私の話聞いてなかった!?

何!?委員長にナレーションジャックされてたの!?

マジでかぁああああ!!変なこと言ってなかった?私のこと馬鹿だとか阿呆だとか言ってなかった?

だいじょぶ?OKOK。ならいいんだ。

ま、位置から説明しなおすのもめんどくさいんでこのまま遊園地ではしゃぎまわりたいと思います!


「ってことでまずはジェットコースタ―!!」

「…群れてないんだろうね」

「いや、そんなこと私に聞かれても」


まぁ、これはお約束というかなんというか。

ジェットコースタにはまぁ人が少ない割には結構な長蛇の列がズラァアアアアっとできていたわけで。

ピキピキと額に青筋を浮かべる委員長を必死でなだめようとすると、委員長が無言で係員さんあ、係員さん綺麗だな。何かビアンキさんと似て……見なかったことにする。

係員さんと何か話して、途中紫色の物体が見えたりなんかしてないよ!?委員長の銀色の武器がきらめいたりして無いよ!?

とにかく何とか話が付いたようで、列をすっ飛ばしてジェットコースターに乗れることになったのでした。

ゆっくり、ゆっくりと徐々にその高度を上げていくジェットコースター。

情けない事にも、ちょっとビビりない委員長はそれは情けない顔をして…


「してないよ」

「ちょ、殴るな!!揺れるでしょ!!墜落したらどうすんですか!!」

「………なんかごめん」


あれ、なんかものすごい憐みを込めた目で見られてる。んだよ!怖いわけじゃねーよ!

ただちょっとあれだ!!体が震えてるだけであって。怖いわけじゃないぞ!武者震いだからな!!


「誰と戦うつもり?」

「この世の悪と」

「………もうちょっとで頂上まで行くからそれまで我慢しな」


だから、怖いわけじゃないんだって!

ジェットコースター大好きだけど、こののぼりの時間だけは心が折れそうになるだけなんだって!!(それを怖がってると言う)


「3…2…1…」

「へ?」


次の瞬間、ガタンと音がしてものすごい風が吹き荒れる。はげてるおじ様がた直ぐに頭を押さえて下さい!!大事なものを失いますよ!!


「キャッホォオオオオオオオオ!」


さっきまでビビってたやつはどこだとか言わない。言ったでしょ。ジェットコースター事態は大好きなんだよ。

てかあれだね。委員長ご丁寧にカウントダウンしてたんだね。いがいと可愛いとこあるね。うん。口出したら殺されそうだから言わないけど。


「あ、やっぱり」

「へぇ??やっぱりなんですかぁああ!!よく聞こえなぁああい!!」


何やらぶつぶつと呟いている委員長。やっぱりとか言うもんだから何かあったのかと委員長に大声で問いかける


「とれた」

「は?」


委員長が指さす先には、ぽっきりいっちゃってる安全バー。しかも私の。しかも折れてる。折れてるのを掴んでる。

ということは………


「私、めっちゃ危険―――――!!落ちるぅううううううう!!」


うぎゃあああああと叫びながらも、委員長にしがみつく。後で殴られようが咬み殺されようが命が一番大事だ!!


「ちょ、痛い。髪掴まないでよ」


そう言いながら、ぐいぐいと私の手を外させようとする委員長。私はやだぁあああ!と叫びながら必死で抵抗する。

だって、このジェットコースター人気なだけあってとてつもなく長いんだぜ!!あと、何分かはこうして命の危険にさらされ続けるんだぜ!!


「つか、委員長もしかして、いやもしかしなくてもさっきのカウントダウンって…」

「きれいに折れたね」

「教えろよぉおおおおお!」


つまりあれですね。恐怖のあまり私の握力が限界突破してジェットコースターの安全バーがポッキリ折れちゃったて訳だね!!って


「そんなわけあるかぁあああ!どんだけ脆いんだよ安全バ―!もうちょっと頑張れよお前!!」

「楓、いい加減うるさい」


落ちるよ!死んじゃうよ!落下死体なんて見れたもんじゃないよ!!

それに痛いのやだぁああああああ!!


「……うるさいな」


ぐい、と委員長の方に引っ張られてお腹のあたりに腕を回される。

お、これはあれか。もしかして支えてくれてるのか!


「委員長!!このご恩は決して忘れません!一生ついて…行くのはちょっとヤダな。うん」

「手放すよ」

「一生ついていきますぅううううう!!」


……。

……………。

…………………。


「も、もうジェットコースターなんて乗らない」


結局あの後、命の危険は免れたものの別の意味の危険がふりかかる。ちょっとでも、不用心な発言しようものなら委員長が手放すぞ宣言。

精神が持ちませんね。


「もう一回乗る?」

「ねぇ話聞いてた!?もう乗らないって言ったよね!?」


あ、ほら!恐怖のあまり敬語が外れちまったぜ!!


「次は」

「は?」

「どこ行きたいの?」


あ、また私の好きなとこ行っていいんですか。マジですか!優しいんですね。あ、違うか。遊園地来たことないからどこ行ったらいいのか分かんないんだ。


「んじゃ、次は……メリーゴーランドで!!」

「え……」

「なんですかその物凄く嫌そうな顔は!!遊園地に来てあれに乗らないなんてありえません!!」


という訳で、いやがる委員長を引きずりメリーゴーランドへ

反論?そんなもの聞きません!!



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