「美味しかったねー!!」

「うん。流石しんべヱのおすすめなのだ」

「皆におみやげも買ったし、あとは豆腐屋さんだね!」





両手一杯に抱えた団子を嬉しそうに見て委員会だのなんだので来れなかったあいつらの事を話す。
ちょっとイラっとしたのは秘密。





「あ、ここだよね」

「よく覚えてるな」

「兵ちゃんの好きな豆腐屋さんくらい座学に比べたら簡単だよ!」

「お前苦手だもんな」

「うん!」





うん、やっぱりい組に入れた理由が分からない。
まあ点数は悪くないから、きっとカンニングをバレずにしているんだと思う。

足取り軽やかに跳ねる藍になんだか笑いが込み上げる。


別に自分の好物でもないのに。





「兵ちゃーん」

「ん?」

「茶豆豆腐美味しそうだね!!」

「へー、じゃあこれも買ってくか」

「わーい!おばちゃん豆腐二丁と茶豆豆腐一丁!!」

「…子供か」





店に身を捩じ込ませ片手を上げる藍の首根っこを引っ張って一度外に体を出す。

不思議そうに首を傾げる様子に隣の入り口を指差した。





「こっちは渡し口。入り口はあっちだ」

「にゃ!?わわ、恥ずかしい…!」

「猫の習性か?」

「うぅ…」

「ったく」




顔を染めて俺の袖口を引っ張る。
そんな姿に呆れながらも、口元は勝手に持ち上がる。



おばちゃんが渡してくれた豆腐を受け取るのと同時にお代を差し出して店を後にした。





「兵ちゃん?」

「ん?」

「楽しかったねー!」





性格とは正反対な猫のようなツリ目をだらしなく緩め、頭上にある葉っぱに手を伸ばしながら藍が笑った。





「そうだな」

「今度は皆で来ようね」

「…うん」





欲を言えばまた二人で来たいけどそれはまた後で言おう。
宙に逆らうようにふんわりと立った髪の毛を撫でながらそう思った。










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藍君が可愛くて仕方ない無自覚兵助。
次は三郎予定です。

拍手に駄文のお付き合いありがとうございましたぁぁぁ!!!!






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