※尾浜視点
深夜、俺たちが集まるこの五年ろ組の竹谷八左ヱ門の部屋ではある恒例行事が開かれていた。
「酒じゃあああああ」
「ちょっと煩いよ三郎!」
「いやー、一週間に一度だともの足りないよねー」
「それで何で俺の部屋なんだ?」
「一人部屋だからいいじゃん」
そう、今日は一週間に一度の飲み会で。
俺たちはいつもの五人含めた六人で飲み会を開いてる。
『い、いいの?こんなことして』
「いいんだよ、私たちもたまにはこういう事しないとやってられん!」
「三郎はいつも悪戯して遊んでるのだ」
「兵助くんちょっと酷くないか?」
「まあ、大丈夫だよ。溺れてる訳じゃないんだし」
藍は初参加のこの飲み会。
緊張気味なのはもしかして酒を飲んだことがない、とか?
ちょっと面白くなって俺はハチを押しのけて藍に向かって身を乗り出した。
「ちょ、いだだだだ」
「ちょっとハチ退いてよ」
「えええええ!?」
「ねえ、藍は酒飲んだことある?」
『ないよ?』
「「ほーう?」」
『え?』
その言葉を聞いた俺と三郎がにやりと視線を合わせる。
今日の餌食は藍で決定だな。
ハチの戸棚の中を漁って人数分のお猪口を出してきた雷蔵から自分と藍の分をとって三郎が仕入れてきた酒を並々注ぐ。
「まあ今日は藍が主役でって事で景気づけにぐいっと一口いっちゃってよ!」
『ぐ、ぐいっと…』
「そうだそうだ、男ならぐいっと行け!」
「藍、無理すんなよ?」
「「ハチは黙れ」」
「さっきから俺の扱い酷くねえ!?」
並々と注がれたお猪口の中を恐る恐る覗き込む藍の背中を押してやれば、雷蔵や兵助の視線に気づき一度目を強く瞑っていただきますの声とともにそれを飲み干した。
さあ、どれくらいで潰れるんだろうな?
俺たちはあとでこの面白半分だった自分を後悔する羽目になるとは思いもよらなかった。
「どうだ?」
『…苦い』
「ほら、豆腐で口直ししておけ」
『兵ちゃんありがとうー』
べ、と舌を出して本当に苦そうにした藍に豆腐を差し出す兵助を横目に日本酒のビンに入ってる度数を確認する。
「うわっ、強いねこれ…!」
「俺は好きだなー!」
「俺は水で割って飲むのだ」
それぞれの反応を見つつ、それなりに度が強い酒を置いて俺も一口飲む。
少し辛口な感じで甘いもの好きな俺としてはあまり好みではないけど、ここに酒を持ち込むこと自体難しいしわがままは言ってられない。
それでもこれは味わって飲む類のものだから、一口だけ多めに含んで後はゆっくり呑んでいこうと思う。
まあ、藍にはそんな飲み方させないけどね。
三郎と視線を組みかわし頷きあう。
さあ、学級コンビの出番だ。
*
『おい三郎』
「はい!?」
『お前一発芸やれよ』
「藍様降臨!?」
面白半分、興味半分で藍に飲ませまくった結果。
鬼畜化しました。
現在進行形で三郎が攻め立てられてる。
「勘ちゃん…」
「へ、兵助助け…」
「俺には到底無理な話なのだ」
「はやっ!!」
『勘右衛門』
「はい!」
『ふふ』
俺が兵助に見捨てられた直後、助けを求めていたのが聞こえたのか藍様がそれはそれは女の子顔負けな笑顔でこっちを向いた。
可愛いけど今はその笑顔が怖いです。
『脱げ』
「…は?」
『脱いでそこの馬鹿郎と文次先輩とギンギン鍛錬して来い』
「ちょちょちょちょちょっと待って藍!」
『あ?』
「「いってきます」」
俺たちはタカ丸さん顔負けの早脱ぎで外へ飛び出した。
その次の日。
「あ、おかえり勘ちゃん」
「た…ただい、ま…」
「今帰り?」
「うん…って、兵助!?」
くたくたになって帰ってきた俺が部屋へ帰ってきて目にしたのは
『んー、兵ちゃん…』
「無理に起きなくていいぞ。腰は大丈夫か?」
「ちょっと待てナニしたの兵助ぇぇええええ!!!?」
裸の同室者と同じく裸の藍の姿。
なにがそうしてそうなった!?
そう思って兵助に詰め寄れば大きい瞳をもっと大きくして首を傾げた。
「ナニって、ナニ?」
「ああああああああああああああああああああああ!!!!!」
休日の五年長屋に俺の叫び声が響いた。
後で聞いた話によると、ただ単に俺をからかっただけでナニもしていなかったらしい。
裸なのは酔っ払った藍に脱がされただけで、そのまま褌を握ったまま寝てしまったので一緒に寝ただけとの事。
兵助が鈍感で本当によかったと思う。
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なんて事はない、酒乱話。
と言うか私の実話。
友達と飲み会をしてて下着姿にさせてそのまま私が寝てしまったという。
勿論女だけの飲み会ですww
勘ちゃんと三郎の子は外には出ていませんが部屋を逆立ちして歩けっていったらしい…
なんって迷惑な酒乱なんでしょうね私wwww
それ以来酒乱はおきておりません!キリッ
お酒ネタがなかったので使ってみました。
本来の藍くんの酔っ払い方はどうしようかなと模索中です←
くだらないネタに付き合っていただきありがとうございました!!!
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