※竹谷視点




がさがさ。
生物委員会が管理するここら辺を支配するのは俺たちが草をかき分ける音だけ。

因みに傍にいるのは孫兵でもなく、ましてや生物委員会ではない。


一年生が合同実習でいない。

委員会を占める殆どが一年生な生物委員は残り俺含め二人だけ。





「いたーーー!!はっちゃんいた!」

「でかしたぁ!」





そこで俺は自室で暇そうにしていた藍に声を掛け、脱走した虫たちの捜索を手伝ってもらってる。
藍は忍犬こそ懐かれないが本人は動物、虫類に対して友好的だからこういう事は結構手伝ってもらったりしてるんだ。

雷蔵辺りにバレたら冷たい視線を貰いそうだがやっぱり上級生が一人増えるだけで全然違う。

保健委員じゃなくて生物委員に入ってくれればいいのになんて思ってるけど、間違ってもそんな事言えない。





「みち子良かったなー!こんな所にいたら踏まれちゃうぞ」

「よし、みち子が見つかったなら終わりだな!!」

「うん!」

「ありがとうな、藍!」

「後は忍犬の散歩?」

「ん?そうだけど…」

「俺も行くー!」





まるで子供みたいにはしゃぎながら両手を挙げて付いてくる藍は本当に五年生なのか俺ですら不安になる。
まあよく一年や二年と戯れて遊んでいるけど、本当に俺と同い年ですか…


可愛いけどな!!!




「別にいいけどお前忍犬…」

「大丈夫。俺だって半分は人間だし、忍犬の子たちになにするつもりがないってことを分かってもらえばきっといつか仲良くできる!…はず」

「ぷ、なんだよそれ。まあいいけど」

「それに、俺はっちゃんみたいに男らしくなりたいんだ!」





ちょっと涙出た。
普段イジられキャラがお決まりの俺でもこうして藍が言ってくれるならそれでもいいかと思えてくる。

俺の後ろについてくる藍の頭を撫でてやれば嬉しそうに笑うこいつは、忍犬のあいつらを彷彿とさせる。

でも、





「自分で言うのもなんだが、藍が俺みたいになるのは嫌だな」

「え、なんで?」

「ちょっと筋肉見せてみろよ」

「任せろ!ふんっ!!」

「…うん」





装束を肌蹴させてほっそい腕についた筋肉を盛り上がらせてるけど…
お世辞にも筋肉質とは言い難い。
まぁ藍がムキムキでも嫌だけどな。





「はっちゃんの見せてよ!」

「仕方がないな…見ろこれが俺の鍛えた筋肉だ!!」

「うおおおおすげー!!」




五年主要メンバー内では一番の筋肉質な俺。
藍は目を輝かせ筋肉を人差し指でなぞる。

…今ちょっと不謹慎な事考えたけど仕方無いよな、俺だってお年頃ってやつなんだから。





「いいなぁ!男前筋肉!!」

「だ、だろ…」

「俺も鍛練すればはっちゃんみたいにモリッ!ってなるのかな」

「さ、さぁ…」

「おっきくて固くて…欲しいなぁ」





誰かこのド天然を止めてくれ。





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澪の中で竹メンは一番の苦労人ポジションw
い組の二人は細かいことあまり気にしなさそうだし竹メン以外のろ組も気楽にやってそう。





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