※尾浜視点
今日はいい天気だなとか外を見上げてみれば隣に目をこするやつがいた。
五年い組は只今自習中。
い組は基本優秀な人材が集まってるから、自習の時間はもっぱら皆キチンと座学をしているのだけど。
「藍、眠そうだね」
「んー…」
「今日いい天気だしねぇ」
藍を挟んだ向こうにいる兵助は真面目に座学をしているのか、忍たまの友を開いて黙々と筆を動かしている。
藍は成績はたしかに悪くないけど、いつ勉強しているのかってくらい寝てたり遊んだりしてて。
猫又の血が入っているなのか、実技だって俺や兵助には劣るとも、優秀な部類にちゃんと席を置いてる。
それに斉藤タカ丸さんのように藍は編入生だというのに、五年からなんて学園長はまた思い切ったことをするなぁなんて。
そう考えていたら隣から寝息が聞こえた。
「藍寝ちゃったのだ」
「あ、兵助も気付いてたんだ」
「まぁ」
最初こそ皆疑ったりはしたけど、今ではい組の癒しになってる。
ここには女の子はいれど、あの一癖なんてものじゃないくのいちが居るからか、同性同士恋仲なんてよくある話。
きっと藍を見る目はただの癒し目的だけじゃないものだって混じってる。
「んー…」
「は、かわい」
きっとこう言った兵助も自覚はないけど藍のこと友達以上に思ってるに違いない。
兵助はかっこいいけどなんかズレてるから(豆腐とか豆腐とか)、くのたまからの人気はそれなり。
藍の方は…
「きゃー!藍先輩寝てるわ!!可愛いーっ!!!」
「タカ丸さんの弟っぽいよわね!」
「私藍先輩派かも!」
とまぁこんな具合。
本人はくのたまが苦手みたいだけど、気まぐれに助けたりもしちゃうからタカ丸さん並みモテる。
特に下級生もあるけど、上級生なんかは相当だ。
「…くのたまの子たち隠す気もないよねー」
「いつもの事だろ」
「クールだよね、兵助はさ」
「魚?!!」
「あ、おはよ藍」
ガバっと起きた藍が好物の魚を叫んだから食堂のご飯今日はきっとあるんだろうな。
きっと本能が感じ取ったんだろうと、大きな声で叫んだ恥ずかしさに呻きながら机に顔を押し付ける藍の頭を撫でた。
今日もこの子は可愛い。
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