『あー!そうだったあ!!』
私は、妹の声で目が覚めた。
「初デートに大遅刻とかマジありえないから!
ほら、顔洗って早くきがえなきゃ!」
そう、今日は浅羽くんとの初デート。
時刻は只今8時30分。
待ち合わせ時刻は9時だ。
(F駅まで、徒歩5、6分だから・・・。
あー、ぎりぎり間に合う!?)
急いで顔を洗い、着替えをする。
良かったー。昨日着る服選んでおいて。
新品のピンクのワンピースと白のカーディガンを羽織る。
メイクは、がっちりは嫌だから軽くしておく。
『優奈、私おかしくない?』
「ばっちりにあってる」
『ありがとー!じゃあいってきまーす!』
私は靴を履いて外に出る。
空は晴れていて、雲1つない。
私は走ってF駅に向かう。
途中、なれないヒールの靴をはいているから2度こけそうになった。
3分後で、なんとかF駅についた。
(えっと、駅の改札口前、だよね・・・。
・・・・あ、いた)
浅羽くんは柱にもたれかかって、ケータイをいじっている。
遠くから見てもかっこいいなあ。
周りの女の子も浅羽くんチラチラ見てる。
私はそちらに向かう。
『浅羽くんごめん!遅れちゃっ――きゃっ!』
ヒールの性でバランスをくずし、こけそうになる。
「大丈夫?」
『あ、ごめん・・・』
浅羽くんが腕をひっぱってくれたから助かった。
・・・って、私今浅羽くんの腕の中にいるっ!?
『ご、ごめん浅羽くん!』
私は急いで離れる。
きっと、顔は真っ赤だ。
浅羽くんは気にしてないのか、いつもの表情。
と、浅羽くんが口を開く。
「あのさ」
『?』
「名前で呼ばない?お互い」
『名前・・・。
なんか改めては恥ずかしなあ・・・』
でも、苗字は堅苦しいかなあ・・・。
『じゃ、じゃあ!お互い一緒に言おう!』
「清水さんらしいね」
浅羽くんが軽く笑う。
『じゃあ、いっせーのーで、で。
・・・いっせーのーで!』
「優佳」
『悠太、くん』
あーやっぱ、呼び捨ては無理だよ・・・。
「俺は呼び捨てで読んだのに、優佳はくんづけなんだ」
頬をふくらます悠太くん。
『だって、やっぱり恥ずかしいし・・・』
「えー」
『じゃあ、1年後!1年後のこの日には絶対呼び捨てで
呼ぶから!』
「・・・まあそれでいいや」
と、すっと浅羽くんが自分のてを出してくる。
「またこけないように」
『そうだね』
私達は、いつかの雨の日のように手を繋いだ。
いつかのあの日
君の隣になれて
嬉しくて
それから恋をして
笑って
泣いて
いろんな事があって
今があって
多分、ずっと
この先
君と僕との関係は
続いていると思うんだ──
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