アドバイスと決意
「おじゃましましたー」

『またねー』




一同が帰っていった後







『はぁ・・・』


優奈は落ち込んでいた。



「どうしたの優姉。机に顔つっぷして」

『あれ、優奈寝たんじゃないの?』

「ぐ、具合よくなったの」

『そう・・・。あーもー・・・』


ため息をつく優佳。


その理由は1つで。



(浅羽くん好きな人いるんだ・・・)



今さら、聞かなければと後悔している。


「なになに、どうしたの?」

『・・・私の好きな人に好きな人がいたの』


その言葉を聞き、呆れる優奈。


「優姉って、つくづく鈍感というか・・・。
救われないわね、彼」

『へ?』

「いや、なんでも。
どんな人なの?その好きな人の好きな人」

『優しくて、笑顔がかわいいんだって』


言いながら、またため息。


(なんでそこまで言われて、自分って気づかないのよ)


優奈は言ってやりたい気持ちをこらえる。

恋愛というのは元より第三者が口だしする事によって、話がこじれる事くらいは優奈は分かっている。

だから、自分にできるのはアドバイス程度ということも。


「で?好きな人に好きな人がいて何がいけないの?」

『だって、好きな人いるなら告白しても無謀じゃない・・・』


(ったく、もー。
あんたなのよあんた。無謀じゃないの!)




苛立ち混じりで、少し優奈は真面目な声色に変える。


「じゃあ、このまま伝えなくてもいいの?
そのまま、好きな人が他の女子とくっつくのをただ見てる
だけでいいの?」

『それは・・・』


その変化に気づき優奈は机から顔を上げる。


「やって後悔?それともやらずに後悔?
どっちがいい?」

『・・・』



優奈は下を向き、考える。




静かな夜。


時計のカチカチ音だけが、部屋に響く。



そして、時計の針が一周した頃




『分かった。私、明日告白する。
やらずに後悔はやっぱり嫌』


その顔は、もう悩みはふっきれていた。


「うん。頑張って。
ふられたら肉まんおごってあげる」


『それはどうもありがとうございます』




お互い笑い合う。



(後悔なんて、しないわよ。きっと優姉なら)



だからきっと、肉まんをおごる機会もないだろうな。と優奈は思った。

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