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 逃避願望――それだけであらましを理解してしまった。

「自転車も音楽も、なんもないところがいいな」

 隼人がベッドに座る私の太ももの上に顔をのせて、逞しい腕を腰に回す。あの子には見せない、私だけが見られるかっこ悪さ。

「私、隼人とならどこにでも行くよ」


どこか知らない場所へ





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