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「それで、そのときツッキーが、」

 山口は慌てて言いさした。約束を破ってしまったからだ。

「…ごめん」
「忠って本当に月島くんが好きだよね」
「そんなこと、なくはないけど…でも、俺」
「いいよ、別に。ちゃんと奢ってもらうから」
「ナッ、ナマエの方が好きだよ!」

 言葉と共に重なるナマエと山口の手。揃いの赤い頬が初々しい、付き合って一ヶ月目のことだった。


約束事項

その一 一緒にいるときは月島くんの話をしないこと





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