log | ナノ


 私はいつも影山の背中ばかり見つめていた。彼はいつも前――バレーボールしか見ていなかったからだ。

 中学を卒業して高校が離れ離れになって初めて、自分の過ちに気が付いた。私もまた不器用だったのだ。複数のことを同時に処理できない私の元にはもう何も残っていなかった。


不器用な世界





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