R-18
「あっ……、ふぅっ……!!」
静かな部屋に響く嬌声、その声を聞いて臨也の笑みは自然に深くなる。
「……ねぇ、シズちゃん。シズちゃんは俺こと嫌い?」
なにをわかりきったことを、と臨也は心の中で嘲笑する。快楽の波に飲まれながらも、静雄は必死に首を縦に振った。それが滑稽で臨也はますます笑みを深くする。
「ふーん……。でも、さ」
つまらなさそうに呟いて臨也は静雄の首筋に痕を付ける。
「っあ!ああぁぁっ!!」
そして先程より動きを激しくして、再び臨也は静雄に問いかけた。
「嫌いな人に抱かれたら普通は、こんなに感じるものなの?……それともただ、シズちゃんが淫乱なだけ、かな?」
「そっ…れはっ…!いざ、やっ…がっ………!!」
快楽のためか、ぼろぼろと涙を零す静雄は普段とはまったく違う妖艶な姿で臨也に言う。
「何?俺のせいにするんだ………シズちゃんは嘘吐きだねえ?」
クツクツと喉の奥で笑って、臨也は静雄の耳元で低く、低く、囁く。
「いいかんげんに認めようよ」
「っふ…………」
その声にすら静雄は反応し、臨也はその様子にとても楽しそうに微笑んだあと、ゆっくりと囁いた。
「シズちゃんは俺のこと好きなんでしょ?」
その答えに静雄は目を大きく見開いた、しかし再び静雄は快感の中に飲まれる。それでも確かにその瞳の中には(例えそれが一瞬であっても、だ)確かに絶望があった。きっとそれが今の静雄の精一杯の否定なのだろう。
(認めちゃえば楽なのにねぇ……。ほんと、馬鹿なシズちゃん)
「……ま、今はいいよ。でもいつか………絶対に認めてさせてあげるから」
そう一人で呟くと臨也は静雄にキスをし、また自分も快楽の波に飲まれていった。