※猫化パロ


瞼越しに感じる眩しい光に、ケイはゆっくりと目を開いた。
のろのろとした動作で頭を窓へと向けると、カーテンの開いたそれからは朝日が差し込んでいる。もう朝のようだ。

ケイは大きくあくびをしながらぐぅぅっと体を伸ばすと、一匹ではすこし広めのネコベッドの中、ケイに寄り添ってすうすうと寝息をたてる白銀色の猫──アインを見つめると、でれっとだらしなく笑う。一般的に見て整った部類の顔が大変残念なことになる程のでれでれとした笑みだった。

「アイン、アイン。」

ケイはすうすうと眠るアインの頬をペロペロと舐めながら、優しく呼びかける。
するとアインは僅かに目を開き、そのアメジスト色の瞳にケイを写すとふにゃりと微笑んだ。

「おはよー…ケイ」

その微笑みにドギュウウンと胸を撃ち抜かれ、ああもう僕の嫁マジ天使僕のアインマジ女神と思いつつ垂れ流れそうになる鼻血を堪えながら、ケイもおはようと挨拶を返す。

「オッサン仕事行ったみたいだし、朝ご飯食べよう。」

「ケイ、オッサンじゃなくてジークさんだってば…」

そう少し困ったように言いつつ伸びをしたアインは、よし、ご飯たべるか!とニッコリ笑うとひょいと猫ベッドを脱け出し、2匹は餌皿のあるリビングへと駆け出した。


−−−−−


お腹いっぱいキャットフードを食べた2匹は日当たりのよい窓辺にいつも置いてあるクッションの上にそろって丸くなる。
すぐに寝息をたてはじめたアインにぴったりと寄り添いながらアインの毛繕いをするケイは、うっとりとアインの寝顔を見つめた。

ああもう、なんて可愛らしいのであろう、なんて愛らしいのであろう!
ケイはアインの首筋を毛繕い──というより味わうかのように舐め回しながら、頬を緩める。

ケイとアインは幼い頃から一緒だった。ペットショップの小さなケースに2匹一緒に入れられたことさえ、運命だと思っている。
その後、運良く2匹一緒にジークに引き取られ──まあ運良くと言うよりケイがアインから離れなかったので仕方なくケイも一緒に飼ったというのが正しいのだが──、こうして穏やかな日々を送れている。

ケイは、小さなころから胸に決めていた。
自分は、アインとつがいになるのだと。オス同士など関係ない、このまま2匹愛しあって幸せになるのだ。……そうなると思っていた。この日までは。

「……?」

強烈な視線を感じ窓の外へ目を向けると、そこには一匹の猫がいた。
真白の癖のある毛に赤い瞳の、顔の整ったオス猫だった。首には銀のネックレス状の首輪が輝いており、飼い猫なのだということがわかる。

その猫は、窓越しにアインをじいいいいーーー…と見つめていた。
その熱視線に何か嫌なものを感じたケイは体を起こすと、アインとそのオス猫の間にずいと割り入った。
途端に不機嫌そうな視線がケイに飛んでくる。そこらのボス猫かというような視線に多少たじろくものの、ケイも負けじと睨み返し、威嚇する。

しばらくの間睨みあっていると、ケイは後ろでぴくりとアインが動いたのを感じた。振り向くと丁度アインが伸びをしていたところで、アインはぱちぱちと目を瞬かせると窓の外の見知らぬ猫をきょとんと見つめる。

「ケイ、その子だれだ?」
「なっ、なんでもないよアイン!あっちの部屋行こ!」
「おい、そこの白猫。」

不思議そうに聞くアインを慌てて説き伏せ、とにかくこの場から離れようとするケイの努力むなしく、窓の外のオス猫がアインに話し掛ける。
アインは耳をぴくっと動かすとオス猫をじっと見つめた。

「なんだ?君、だれ?」

わくわくとした様子で問いかけるアインにオス猫はニヤリと笑うと、器用に窓を開けて部屋の中へと入ってくる。

「俺はギスタだ。てめえは?」

「オレはアイン!よろしくな!」

にっこりと笑いながら名乗ったアインにまたニヤリと笑ったギスタは、いまだに威嚇していたケイを押し退けアインの目の前に移動する。


「…気に入ったぜ、アイン。俺のつがいになれ。」


そう言いながらアインの口をペロリと舐めたギスタに、ケイの必殺猫パンチが炸裂するのは2秒後のことだった。










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三匹とも完全猫化でも、猫耳尻尾でもお好きな方でもうそry…想像してください。




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