「なんか最近名字おとなしくねーか?」 「確かにそうアル。」 劉はそう言って、無言でマネージャー業をする名字の方を見た。前までは自分で自分の事を陽泉1の悪戯好きとか言ったりしてたのに、最近の名字は大人しくなり、岡村の悪戯にすら乗ってこなくなった。明らかに変だ。 「てか、氷室へのくすぐりはどうなったアル。」 「あー、あとで聞いてみっか。」 部活が終わって、俺は劉と一緒に名字に声をかけた。 「おい、名字。」 「はい。」 「氷室へのくすぐりどうするアル、リベンジしねえアルか。」 「うっ…。」 劉の言葉を受けて名字は顔を真っ赤にした。は?何その反応。 「ちょ、お前どーしたんだよ。」 「いや、もう、やめましょう、氷室に悪戯するのは!」 必死にそう言うその姿から、俺と劉はなにかあったんだなと察する。うん、気になる。 「なにがあったんだよ。」 「…………………。」 「言わねーとモミアゴリラとお前を密室に2人っきりで閉じ込めるアル。」 「それは勘弁!」 影でこういう扱いをされる岡村に俺は心の中で涙する。ゴリラ、強く生きろ。 「じゃあ、言うアル。」 「…氷室に、くすぐり第三弾したんだけど……。」 「いつの間に。」 「失敗して、バレて、氷室の部屋連れていかれて…、」 「…は?」 部屋に連れていかれた? 嫌な予感がする。男が女を部屋に連れ込む、明らかにやばいやつだ。しかも相手はあの氷室だ。本当に嫌な予感しかしない。 「…それで、なにされたアルか。」 「………めちゃくちゃくすぐられた。」 「は!?」 「そうですよめちゃくちゃくすぐってきたんですよあの片目!!!」 うわあああああと名字は手で顔を抑えて嘆き始めた。それを聞いた劉は呆れた顔をしている。 …なんだよ、なんやかんやでこいつも氷室も似たもの同士じゃねえか。 ← → 戻る |