実は待ちわびてた


あれから3日間、赤司先輩の部屋での対決は勉強がメインになった。というのも、私の今の知識量だと試験が結構やばいらしい。
真顔の赤司先輩に落ちるぞと脅されて、心底震え上がった。私勉強できるほうだと思っていたんだけど、洛山の試験ってそんなにやばいの。

赤司先輩には、毎日勉強をする必要があるから毎日部屋にこいと言われていたけど、今日はどうしても行けない理由があった。
というわけで、こたちゃんにそのことを赤司先輩に言ってとラインをする。こたちゃんをパシっているようで申し訳ないけど、だって私赤司先輩の連絡先知らない。

「え、?」

すると数分後、初期設定のメール音と共に見知らぬアドレスからメールがきた。なに急に。スマホにしてからというものの全くメールを使わなくなったから、こういうのは少し怖い。変な人からだったらどうしようと思いつつもメールを開く。

『そういうことは直接言え。』

件名はなく、本文に書かれていたのはこの一文だけだった。なんだこれ?と首をかしげるが、少し考えて、これは赤司先輩からだということに気づく。

…こたちゃんが教えたのかな。てかラインじゃなくてメールなんだ。勝手に教えるって…まあいいか、赤司先輩だし。個人情報とかしっかり守ってくれそうだし。

『赤司先輩ですか?』

一応確認を、と思いそう返信をする。返事は、すぐに来た。

『そうだ。』

たったそれだけだった。
なんて返せばいいか分からなくて、とりあえず『登録しておきますね』と返しておく。

『なぜ今日は来ない。』

『友達の部屋で女子会するんで。』

『友達いたのか?』

『失礼ですね! おこ』

『試験は大丈夫なのか?』

短い文でのやり取りが続いていく。てか、おこ無視された。赤司先輩冷たいな。

『大丈夫ですよ』

多分、と心の中で付け足して送信する。

『見ている限り大丈夫と思ったことはないけどね。』

なんだが赤司先輩からの精神的攻撃が強い。なんでだ。なかなかに辛い。

『明日から頑張るんで見逃してください』

『許さない。』

『なんですか、来てほしいんですか?』

そう返して携帯をポケットにしまった。我ながらなかなか恐ろしいことを言っていると思う。返事がくるのがちょっと怖いし、出来れば見たくない。なんで送ったし私。

音がして、ポケットの中でスマホがメールの受信を告げた。無視したい。でも後々のことを考えると無視は得策ではない。渋々、スマホの画面を開いた。

『次のオセロは絶対負かせる。』

「……。」

返事の文面に少し悩んだが、『真っ黒にしますね』と語尾にハートマークを添えて送ってみた。そしたらわずか数秒後に『覚えてろ』と帰ってきた。後輩を脅すなんて、なんて怖い先輩だろう。


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