おまけ


高尾に告白して高尾に告白されてから、一夜明けて月曜日。

「と、いうわけで高尾と付き合うことになったんだよねー。」

「……は?」

朝、登校すると緑間が1人でいたので、一応報告と思い昨日のことを話した。ちなみに高尾はトイレに行っているらしい。周りに聞こえないよう少し声を落として話せば、緑間は驚いたような顔をしていた。
この様子だと高尾は緑間に話していないようだ。あれ?隠しておいた方が良かったのかな?高尾的にはあまり他人に知られたくないとか?あれ?やらかした?

「…ごめん今の話全部忘れて。」

「無茶言うな。で、付き合ったのだな?」

「記憶から消して。」

「聞いたからには無理だ。」

「…頭殴ったら記憶飛ぶって言うよね」

「させぬ。」

「…いった!痛い緑間!!」

振りかぶって殴ろうとしたら右手を思いっきり抑えられ、そのまま緑間に頭を鷲掴みにされた。なにこれデジャヴ。なんか緑間この攻撃好きだよねってかやばいマジで痛い握力やばい痛いいたたたた!

「おい真ちゃんてめえ!」

ガラララと教室の扉が開いて高尾の声が聞こえた。高尾いいところに来たヘルプ!緑間の手とめて!と、助けを求めようしたのだが、


「俺の彼女に乱暴してんじゃねーよ!!!」


あまりに高尾の声が大きいもんだから、騒がしかった教室が静まり返った。少し間があいて、クラスメイトたちが、おめでとう!と拍手をする。

「お前ら付き合ったのか!」

「おめでとう! で、いつからよ?」

「どっちが告白したの?」

「ちょっと話きかせてー。」

クラスメイトが口々に話す中で、自分のしでかしたことに気づいた高尾が頬を赤く染めながら「うるせえ!」と叫んだ。…馬鹿だ、あの子、馬鹿だ。
私は、ワクワクした顔で話しかけくるクラスメイトに適当に相槌を打ちつつ、頭を抱えた。高尾はこれでもかというぐらい顔を真っ赤にしている。

「…お前、名字のこと嫌っていたんじゃないのか。」

緑間が真顔でそう言った。それを高尾はバッチリ聞いていたらしく、緑間の方へと思いっきり顔を向けて叫んだ。


「ちげえよ! 大好きだわ!!」


再び教室が静まり返る。しかしすぐにさっきよりも騒がしくなった。さすがにこれには私の顔も真っ赤になる。
ヒューヒュー、と誰かが口笛をふき、高尾は顔を手で覆いながら声にならない叫び声をあげていた。

……私の彼氏、バ可愛すぎでしょ。


戻る
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -