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所詮夢は夢、
『私、クダリさんのことが好きです』
そう告げた私の言葉は、
「嗚呼そう、けど僕は君みたいな子は大嫌い。付き合ってとかいっても無駄だから、君なんか願い下げ」
クダリさんの、ケタケタと笑うその声と、いつものような優しさの欠片もない言葉と態度で、切り捨てられた
私はその、クダリさんの変わりように、頭がついていかず、その場で泣くこともできなかった
そして私は、そうですか、と一言だけ発し、踵を返した
家に近づくにつれて、さっき起きたことが理解されていき、ぼろりと、水分が涙となって目から、体の外へと出されていく
ただ好きだっただけのに、
その気持ちを、伝えただけだったのに、
拒絶をされた…、
そうか、わたしは、
『嫌われてたのか、』
けど…その日見た夢は、今日のできごとなんか、なかったかのように、
クダリさんと、笑いあって、手を繋いでいた
とても、幸せそうだった
けど、現実は、
“嗚呼そう、けど僕は君みたいな子は大嫌い。付き合ってとかいっても無駄だから、君なんか願い下げ”
夢みたいに、そう、うまくいくわけがないのか…、
所詮夢は夢、
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