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失うのがこわかった



『ねぇ、ノボリさん…』

「どうしました?」


……一緒に死にませんか?


レイシ様からその言葉を聞いたとき、私は大変驚きました
しかし、“一緒に死ぬ”それもありかもしれませんね、
そう、思ったのです


『私、思ったんです。いずれ一人でしななきゃいけないなら、今、ノボリさんと一緒に死にたいんです』
『今が幸せだから、この幸せを失うのが嫌なんです。ならいっそ、』


レイシ様はそう言って、微笑みながら私の首に手をかけたのです
そして、


『幸せのまま、終わりましょう…?』


そう言葉を続けたレイシ様は、首にかけていた手に力を込めたのです
そして私も、


「レイシ様、私も、ずっと、そのように、思っておりました。ですので、私も、」


レイシ様の首に手をかけ、


「さぁ、私と一緒に幸せを、満喫いたしましょう…」


力を込めたのです

薄れゆく意識の中、私は、微笑むレイシ様が、泡のように消えて行くところを、見た気がします








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