I bite you to death! | ナノ

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疑問だらけの戦闘


「…宮野雛香」


君、あの時の銃は使わないの?
高速でトンファーを繰り出してくるクセにそんな事を平気で聞いてくる、こいつの神経が恐ろしい。
動揺がわずかに身体に出た。
動きが鈍った瞬間を狙わず、
銀の凶器が肩を殴る。

「…いってーよふざけんな」

イライラと舌打ちをして、雛香はナイフを投げた。
雲雀は当然のごとくあっさり避けると、そのまま後ろに飛び距離をとる。
カランカラン、と虚しくナイフは屋上の隅に転がっていった。


「…得物を自分から手放すなんて、死にたいの?」
「なめんな」


吐き捨てるようにそう言って、雛香は制服の下から予備のナイフを引き抜いた。


「ワォ、君それいくつ隠してるの」
「そんなのお前に言うかよ」
「武器所持は校則違反だからね」
「…ちょっと待て」


じゃあお前の両手にあるそのトンファーはなんだ。


「僕はいいのさ」
けろりと風紀委員長は言う。
「僕が並盛の秩序だからね」
「失せろこの自己中暴君」


本当に腹が立つ。
というかこの男はなんなんだ、なんでこんなに腕が立つんだ。


事前に集めた情報には無かった筈だ。
警戒すべきはボンゴレファミリー次期ボス候補沢田綱吉、
その盲目的な右腕、スモーキン・ボムこと獄寺隼人、
そして最も危険な男、リボーン。
雲雀恭弥、並盛を牛耳るその男、
確かに強いというデータはあった。
だが、この少年は所詮一般人のはずだ。


「…なんでそんな強いんだよ」


舌打ちと共に新しいナイフで切りつければ、


「君だってなかなかだよ」


と、全く嬉しくない賞賛が返ってきた。

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