I bite you to death! | ナノ

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舞台袖の会話


「…ぐっ」
アスファルトに叩き付けた相手を見、
雛香は振り上げたナイフを何のためらいも無く振り下ろした。
「雛香君!!」
沢田の大声が炸裂する。
だが、


「…昨夜より、随分と余裕が無いね」


トンファーで受け止められたナイフを見つめ、
雛香は顔をゆがめて舌打ちをした。
ぐ、と武器を交えたまま起き上がる少年。
ぎりぎり、と手のひらに食い込む柄の感触に、もうひとつ舌打ちをする。

「…でも君は、強かった」

だから、
と言葉を重ねる少年の武器を振り払う。
地面を蹴り、
距離を取る。

「…だから、相手をしてもらうよ」

…俺はする気ないんですが。
何これデジャヴ?
目眩がする。
そのまま相手が突っ込んでくるのを読み取って、
雛香は仕方なしにナイフを振るった。



「…雛香君、強い…」
「あいつと互角…?!」
「雛香…」
呆然とする3人の横に、
「…あいつは、ファミリーに引き入れるべきだな」
「リ、リボーン!!」
ツナが慌てた声を上げた。
「ちょっ、ちょっと待ってよ!確かに雛香君は強いけど…」
また友達をマフィアに巻き込ませるのは…、と頭を抱えるツナ。
「俺だって反対ですよ!あんな奴!10代目の側に置けません!」
「なんでだ、問題無いだろう」
「大アリだよ!!」
「俺も雛香は心配だなー」
わいわいと騒ぐ3人を横目に、
接戦を繰り広げる2人をちらりと見やって、
リボーンは眉をひそめた。
「…だが、あいつ…素人じゃねーな」

…何処のマフィアだ?

訝しむリボーンの言葉を聞き取る者は誰もいなかった。

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