彼との会話(路地裏にて)
■ ■ ■
マッド・ボーイは笑わない。
「……じゃ、なかったの?」
カラン、と雲雀が落ちたトンファーを拾い上げる。
その傍ら、同じくトンファーを拾い上げた、彼は笑う。
「何ソレ。どこ情報?」
「僕が持ってる人脈のひとつから」
「笑える。お前中学生じゃねえの」
「僕はいつでも好きな年齢だよ」
大体、君がそれ言えるの。
雲雀は呆れて相手を見る。
月光を反射しぎらりと光る鈍色のトンファー。
2本でひとつのそれを片手にまとめ、頬の返り血をぐいっと拭う、彼の所作はまるで中学生のそれじゃない。
「俺はちがうよ」
けろりと、相手は言う。
「俺は、マッド・ボーイだからね」
「……この厨二病」
「咬み殺す、が口癖の誰かさんには言われても」
そう言って口元を艶やかに緩める、
ああ、やっぱり彼は中学生ではない。