全ての謎の理由は 「…リング?」 〈そうー正確に言うなら、俺がジョットより受け取った大空のリングだ〉 「じょ?」 〈ボンゴレ1世(プリーモ)のことだよー〉 頭に疑問符を増やす雛香の肩、 楽しげに腕を回し顔を寄せるレイア。 「?!近っ、」 〈スキンシップスキンシッ、いだだっ!〉 〈…消すぞ〉 〈や、目が本気だよマイアー?〉 〈本気だからな〉 そろそろ雛香も学習してきた。 この双子のやりとり、どこかで止めないと終わらない。さっきから無限ループをしている気がする。 「…あのさ、」 ベリ、とひっつく10年後の雛乃そっくりの青年を引き剥がし、雛香は深々と息を吐くと顔を上げる。 ローブを纏い悠々と佇むマイアの姿に、 やはり自分の面影を感じ雛香はややたじろいだ。 「…あんた達は、一体なんなんだ」 〈混乱させたな、すまない。だが俺たちがヴィーラファミリー初代ボスだというのは本当だ。ボンゴレリングの力により、仮の姿ながらもこうしてお前のもとに姿を現すことが可能となった〉 「ボンゴレリング…」 そういえば、先ほどもそんなようなことを言っていた。 ボンゴレリングならよく知っている。 以前ヴァリアーと命を懸けて奪い合ったあのリングだ。忘れるはずがない。 だが。 「…それとこれと、何の関係が?」 ボンゴレリングがかなりの力を秘めている、という事実はよく知っている。 リングの中でも最高峰、精製度A以上を誇るその指輪に宿された力は未知数だ。 実際、ツナ達はそのリングにより炎を身にまとい修業に臨んでいるのだし。 〈俺たちとボンゴレリングの繋がりを話すためには、少しばかり話を聞いてもらうことになる〉 「かまいやしないけど」 〈ねね、雛香、って言ったよね?すっごい髪の色きれーだね!真っ黒!〉 〈お前も話を聞けレイア。安っぽい口説き文句みたいな言葉を吐くな〉 〈いった、いたたたたっ!髪はダメ!抜けるから!〉 さっき止めたにも関わらずまたも騒ぎ出す両者に、 雛香は思わず肩をすくめた。 |