複雑な再会 「雲雀さん!」 叫び、喜びに顔を輝かせたツナが駆け寄る前で、くるりと振り返る黒スーツの青年。 「何してたんだい?沢田綱吉」 うっすら笑うその腕の中、抱かれているのは、 「雛香君!!」 血に塗れぐったりとしたその姿に、ツナは途端に青ざめた。 「煩いよ、そこどいて」 そっけなく言葉を発した雲雀が、ショックで動けないツナを押しのける。 しかし、 「雛香ッ!!」 凄まじい勢いで飛び込んできた、黒髪の青年に邪魔された。 「…宮野雛乃」 「雛香…っ、ごめん、僕が、もっと早く…」 満身創痍な片割れの姿を見、雛乃はツナより蒼白になり顔をゆがめる。 だが泣きそうな表情を浮かべたのは一瞬で、 次の瞬間には青ざめながらも落ち着いた表情で雲雀を見上げた。 「…久しぶり、ですね。雲雀さん」 「そうだね。ところでそこをどいてくれるかな、宮野雛乃」 どこか平淡な雛乃の挨拶にも、雲雀は奇妙なほど短く応え横をすり抜けようとする。 だが。 パシッ。 「…雛香を渡してもらえますか」 素早く動いた雛乃の左手が、 横を行く雲雀の腕を強く掴んだ。 |