破滅への集束 ツナ達が再び京子を探して駆け出した、 その一方で。 「俺はγってんだ…よろしくな」 獄寺達の前に現れたのは、 妖しく笑む、黒の隊員服の男。 (こいつが…!) (激強っていう…) 事前にラル・ミルチと雛乃から話を聞いていた2人は、息を呑み相手を見上げる。 「獄寺、ここは手ぇ組んだ方が…」 「っるせぇ」 「!」 口を開いた山本に、己の右腕ーつまり、嵌められた匣兵器を向ける獄寺。 「組む気はねぇって言ってんだろ。すっこんでろ」 「……そうかよ!」 「…おいおい、仲間割れか?」 桁違いの雷をまとわせるγの前、 進み出る獄寺とは逆に、背を向け離れる山本。 未知の敵を前に、2人は完全に分断した。 そして。 「……何の音だ、今の…」 振り返った少年は、すっと目を細め空を仰ぐ。 たなびく白い煙が上がるのは、そう遠い位置ではない。 「……嫌な予感がする」 胸を騒がすこの感覚に、 今までいくどもの危機を教えられてきた。 「…急ぐか」 黒い瞳を光らせ、宮野雛香は走り出す。 γと激しい闘いを繰り広げる、獄寺達のもとへ。 |