I bite you to death! | ナノ

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京子を追って


二手に分かれたツナ達3人と獄寺側2人。
京子を探し回るツナ達は、敵を迂回しながら彼女の姿を探していた。


「…やはり、笹川の妹は捕まっていないようだ」
「本当ですか?!」
「うん…でも、どこにいるのかな」
ラル・ミルチの言葉に安堵の笑顔を見せるツナ。
その顔を見て雛乃も嬉しそうに微笑んだが、わずかに顔を暗くした。
「たしかにな…これほどの監視の中で見つかってないとすると、一体…」
ラルも同じく呟いた、
その時。

「「!」」

「えっ?」
バッと同時に空を仰いだ2人に、ツナはぎょっと硬直する。
「隠れろ!」
「この音…γだ…!!」
きょどるツナに上着を被せ、ラルが雛乃を振り仰ぐ。
「雛乃!お前もだ!」
「僕は要らないよ」
淡々と返した雛乃が、リングをはめた手をぎゅっと握る。
途端、


周囲に立ち込める、藍色の霧。


「…な、何これ…?」
「幻覚だよ、ツナ。あ、上着もう大丈夫じゃない?」
「…なるほど、また腕を上げたな、雛乃」
「そう?」
「匣を開けずに、リングの力のみでこれ程の幻覚を作りだすとは…」
「そんなことないよ。雛香はもっと上手かった」

霧の属性でも無かったのにね、
そう言って炎を収めた雛乃は、微妙に固まった場の空気を気にした様子もなく空を見上げた。

「行ったみたいだよ、γ」

その顔が、ふと曇る。

「何か見つけたみたいだけど…あっちの方向って…」
「…まさか」

雛乃の視線の先を辿ったツナは、嫌な予感に目を開いた。



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