I bite you to death! | ナノ

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迫る敵の影


見覚えのある黄色い鳥の落下、
しかし事件はそれだけでは済まずー。


「京子ちゃんが、いなくなった?!!」
「はひ……」

涙目でうなずくハルに、ツナは呆然と視線をさまよわせた。

「そんな…どうすれば…!」
「雲の守護者の鳥からの救難信号もある。総合的に判断するべきだ」
「ラルの言う通りだね。最優先は京子ちゃんを連れ戻すこと、そして…」
「ヒバードの探索及び調査だ」

雛乃の言葉を受け取り、リボーンが締める。

「少人数で動く方がいい…戦闘は避けたいからな」
とラル・ミルチ。
「んじゃいっそのこと二手で別れて、両方いっぺんにやるってのはどーだ?」
ニカっと笑う山本。
「それ僕も賛成。ツナ、どーする?」
くるりと振り返る雛乃。
「ええっ?!俺?!」
いきなり話を振られたツナは、目を白黒させて戸惑う。
「当然だ」「ボスはお前だ」「頼りにしてるよボス」

(「いや俺ボスのつもりないんだけどー?!」)

っていうか最後の雛乃、絶対バカにしてるよね?!と思いながらもツナは唾を飲み込んだ。

「じゃあ…俺も行く!京子ちゃんとヒバード、両方一緒に進めよう!」
「そーこなくっちゃ!」
「10代目のお考えなら賛成っす!」
「そうと決まれば準備開始だな!!」

途端、盛り上がる場の空気。

「分担はどうするの?ツナ」
「ええと…俺とラル・ミルチで京子ちゃんを、雛乃と獄寺君と山本でヒバードを探してほしいんだ」
「宮野と山本と、スか…?じゅ、10代目の命令とあらば喜んで……ッ」
「顔が喜んでねーぞ獄寺…」
「うるっせえんだよ野球バカ!」
「ごめんツナ」

盛り上がりを通り越して騒がしくなってきたそこへ、ひょいと手を上げる雛乃。

「え、なに?」
「俺、ツナ達といっしょしていい?」
「え、そんなに俺のこと嫌いなのかよ、雛乃」
「ううん、山本の事はそこそこ好きだけど…」
「えっそこそこ?!」

何気にショックを受けている山本をスルーし、雛乃は微苦笑を浮かべてみせた。

「ラルはすぐ無理するからね…僕が見ておきたいんだ」
「貴様の監視なぞいらん」
「そうはいかないよ」
「次期門外顧問だからといって、指図を受けるつもりは無い」
「指図なんかしないよ。力づくで止めるまでだから」
「……ほう」

なぜか睨み合う(雛乃は笑みを浮かべているが)大人組2人に、ツナ達は心臓に悪い思いで顔を見合わせる。
と、ここで知る衝撃の事実。

「……え、待って、雛乃、次期門外顧問なの?!」
「あ、うん」
それがなに?みたいな顔で首をかしげる雛乃。
いやいやそんなあっさりと!
「え、が、がっつりボンゴレに属してるじゃん…」
「所属させてくれたのはツナだよ。僕らには帰属すべきファミリーが、もう無いからね」

小さく微笑んだ雛乃に、ツナはあ、と口を開けたまま止まった。
そうか、そういえばこの双子のファミリーは、もう…。

「いつまで無駄話をしている」
「ぶへっ?!」
「じゅっ、10代目ー!!」

突如飛んできたラル・ミルチの鉄肘により、ツナは奇声をあげてその場に沈んだ。

「そうだな、そろそろ行ってこいツナ」
「ぐへー?!」
「リボーンさんまで!!」
「ツ、ツナ大丈夫か?」
「あはは、見覚えのある光景だ」
「もうやだ…雛乃笑いすぎだし…」

リボーンに蹴りまで入れられたツナは、床にぐったりと伸びたままうめいた。




そして、




ツナ達のアジトから、やや離れたとある場所で。

「アニキ!」
「ウサギが網にかかったらしいな」

にやりと笑う、金髪長躯の男。

「オイラ達も行くよ!」
「いーや、俺1人で充分だ。別命あるまで現状維持」

野猿の言葉に軽く手を振り、第3アフェランドラ隊長・γ<ガンマ>は空へと舞い上がる。


「…こういう時は、他のウサギもかかりやすい」


その足に、強烈な雷を宿らせて。





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