希望への道筋 「…皆をこんなところにいさせられない!なんとしてでも過去に帰さなきゃ!!」 ブラックスペルとの闘いから、ほんの数時間後。 意識を取り戻したツナは、リボーンに向かい必死の形相で叫んだ。 「もう生きのびるとか、そんな問題じゃないんだ!!」 「ちょっ、ツナ…」 「お、落ち着いてください10代目!」 慌ててストップをかける2人の前、 特殊スーツを着込んだリボーンが眉を下げる。 「錯乱しすぎだぞ、ツナ。最初の通り、守護者を集めるんだ」 「なんでだよ!そんな根拠のない…!!」 「根拠ならあるぞ」 「え?!」 大きく目を開いたツナに、獄寺がふところの手紙を取り出した。 「そーなんす10代目、過去に戻る方法を見つけたんすよ!」 「…え?!」 「『守護者は集合…ボンゴレリングにて白蘭を退け、写真の眼鏡の男消すべし……全ては元に戻る』」 獄寺の読み上げた文面に、ツナは顔を曇らせる。 「でもそれは、10年後の獄寺君が持ってた…」 「そうっす、だから俺もこれは10年後の自分への指令だと思ってました。ですが……」 『ボンゴレリングな、だいぶ前に砕いて捨てちまったんだ』 「あっ……そっか!!ボンゴレリング!!」 「そうっす、この時代にはあるはずないリングのことが…」 「わかるか?」 ニッ、と笑うリボーン。 「この手紙はこの時代にいてリングを持つ者…つまり、過去から来たお前達に書かれてんだ。そうだろ、雛乃?」 「そうだね」 「…雛乃!」 振り返れば、腕を組み壁にもたれかかる雛乃。 その姿を見、ツナは思わずまばたきを繰り返した。 スーツを着こなすその姿は、朝見た彼と変わりなく、 「…雛乃は、入れ替わってないんだ!!良かった…」 「今のところは、ね」 にっこりと微笑み、雛乃が答える。 その言葉が意味深な事に気が付いたのは、眉をぴくりと上げたリボーンのみ。 「……これで、過去に帰れるんだ!!」 |