絶対的絶望に阻まれ 「君は…守ってみせる。俺の、命に変えても」 額に橙の炎を燃やし、凛とした瞳でツナは太猿を見据える。 胸元のリングからも炎を灯したその姿は、美麗と呼んでも差し支えない容姿をしていた。 ぽかんと状況を見守る京子は、後ろに下がったままツナと相手の激闘を見つめる。 「…ふ、ふざけるな!てめーのようなうるせぇハエには、殺虫剤をまくまでだ!」 「来い」 黒手裏剣〈ダークスライサー〉を投げる太猿、 炎の推進力を生かし空を飛ぶツナ。 2人の激戦が、今始まった。 一方。 「なっ…なにーー?!!」 絶叫した獄寺の前、現れたのは現代の山本。 さらに背後でも同じように煙が弾け、幼いイーピン達が姿を現す。 「あれ、獄寺?!何してんだこんなとこで!」 「あ、獄寺さん!探してたんですよっ!」 「友現了!」 「アレッここどこー?!」 いつも通り騒ぎ出すメンツに、獄寺は一気に青ざめた。 「ど…どーなってやがる…よりによって、こんなやべぇ時に…」 「!なっ、獄寺ッ、あれは、」 「!!」 山本が目を見開いた先、 振り返った獄寺の目に映る、迫る黒い炎。 「しまっ……!」 思わず歯ぎしりした獄寺が動くより早く、 炎が全てを薙ぎ払った。 |