帰り来る守護者達 〈首の皮はつながってるかぁ?!クソミソカスどもぉ!!!〉 鼓膜をビリビリと震わすような大声に、 雛香は思わず身をすくめる。 だがそれは雛香だけでなく、その場にいた大半の者が同じだった。 「出やがった!」 「じゅ…10年後の…」 「スクアーロ!!」 嬉しそうな顔をした山本の前、 「ボリュームを下げろ!」「耳が死ぬ…」「はいっ」とやりとりする大人組3人。 〈いいかぁ?クソガキどもぉ!!今はそこを動くんじゃねぇ!!外に新しいリングの反応があったとしてもだぁ!!〉 「!」 「それって…」 「黒曜ランドのことだな」 少し前、大きな反応のあった黒曜ランド。 なぜ知っているのだと驚きに目を見張る面々を前に、スクアーロの画像は相も変わらず大声を張り上げる。 〈そしてなぁ、〉 〈じっとしてりゃわっかりやすい指示があるから、それまでいい子にしてろってことな。お子様達〉 「ナイフ野郎!」 「ベル!」 突如、スクアーロの言葉を遮りひょっこり現れた金髪の男に、獄寺と雛香が同時に声をあげる。 その声が聞こえたわけではないだろうが、画面の中のベルはししっと笑い、片手をひらりと振った。 〈雛香もいんだろ?また会おーな〉 王子、コレちゃんと持ってんだぜ? 軽い声とともにその手の内でくるりと回るのは、 「…俺のナイフ…!」 〈う"お"ぉいてめー何しに来た!〉 〈王子ヒマだし、雛香への挨拶も兼ねてちゃちゃいれ〉 〈口出すとぶっ殺すぞぉ!!〉 〈やってみ〉 あぜんと見ているツナ達の前、 ナイフが飛ぶ音に轟音、煙、舞う破片。 〈またこの世で会えるといいなぁ!!それまで生きてみろぉ!!〉 そして、ブツッと映像は途切れた。 「……え?こ、これだけ…?」 「相変わらず荒れてるね…」 「つうか、俺のナイフってどういうことだよ」 「え、いや大したことじゃ…って近い隼人!」 「獄寺、今すぐ捻り潰されたい?」 「わかりやすい指示って何だろ…?」 あまりに唐突なメッセージに騒然とする(一部理由が違ったが)その場に、 ジャンニーニが答えを示した。 「どーやらあの方のことのようですよ。イタリア帰りの…」 「え?」 「!」 首をかしげたツナの後ろ、 雛香と雛乃が同時にぱっと振り返りー 「笹川了平、推参!!」 ぐったりとするクローム髑髏を抱きかかえた、 見覚えのある青年が現れた。 |