測りかねるのは 「……獄寺」 「宮野」 暗い廊下に、佇む少年が2人。 「…てめえ、何してんだこんなとこで」 「お前こそ。俺は、まあちょっと、迷った、わけじゃないけど…」 「は?迷子?」 「誰が迷子だ」 「こんなとこで迷子とか、バカの極みだな…」 「哀れみの目で見てんじゃねえよ」 思わず反射で噛み付くが、ふと恥ずかしさに近い気まずさを感じ、雛香はとっさに視線を逸らした。 なんせ獄寺とまともに顔を合わせたのは、あれ以来なのだから。 『…好きだ。ずっと前から』 「…とりあえず、俺は行くから」 やばい、思い出さなきゃよかった。 早口に言い、雛香はさっと獄寺の横を通り抜ける。 だが、 「待てよ」 ぱしっ、 と掴まれる、腕。 「…!」 「てめえ、迷ってんのにさらに迷う気か?本当にバカ、」 「放せ」 とっさに振り払う。 無意識だった。 ほぼ反射的に、獄寺の腕を振り払っていた。 |