母胎帰還
僕にまだ名前もない頃
彼女の感情が世界の全てで
そこは優しくて温かで
色の無い光に溢れていた
いつからだろう
こんな風に別々になったのは
お互いの泣き声なんて
音にならなくても知れたのに
さあ戻ろう
喜びも哀しみも直結していた
愛の水の中を泳ぐんだ
臍帯から無二の愛が
彼女が吸い込んだ酸素で
もう一度だけ、息を吹き返す
[
back
]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -