貴方を見送ったこの胸を
何と云ったら良いのでしょう

それは決して
哀しみではないのです

貴方との思い出が
ぽつぽつと頬を濡らして
警笛が騒がしく鳴っても
静寂が私を掴んで
離そうとはしないのです

それは決して
淋しさではないのです

貴方との思い出が
しとしとと鼻から垂れて
好奇の視線を送られても
安閑が私を包んで
出してはくれないのです


貴方と指切りしたこの胸を
何と云ったら良いのでしょう

手紙を送れる喜びを
次を夢見る愛しさを

神様が確かにいらして
貴方と引き合わせてくれた
一人で越す夜を思っても
その幸福が広がって
この胸を甘く震わせるのです








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