忠犬教書 三日飼って下されば 三年恩を忘れません 一度優しくされたなら 一生貴方に従います シロという犬がいて 主人を想い桜になったとか ハチという犬がいて 主人を想い銅になったとか わたくし肉のままですが 錬金術なら使えます 打たれようとも蹴られようとも 手を噛んだりは致しません 愛してくれなくて良いのです 愛させてくれれば良いのです 少しばかり付け入る隙を 臭わせて下されば助かります 何年間の待てだとも 何年か後の良しのため 一度限りのご褒美を 一生夢見て暮らせます 餌を三食抜かれても 部屋を漁ったり致しません 餌を三日忘れても 得意なのは待てだから タイトルを取るような ギネスブックに載るような 技も容姿も無いですが 口も利けるしメールも打てます 動物愛護法はと問われれば それは貴方だと答えます お好きな時にお好きな用で 貴方に使って貰えれば本望です 生命も貴方に委ねます 面倒だと云うのなら 貴方が死ぬまでここに居ます 一生良しが来なくとも 貴方の側に居れるのなら それが私の「良し」だから [back] |