塩酸



放課後のバス停で
濡れた袖口を握って
君は前を見ていた
ただ前を見ていた

強くあろうとした君に
僕らは寄り掛かって
涙にも際限があること
気付きもしなかった

自分を正当化する術を
君に見出しては
その優しさに付け込んで

君は涙を燃やして
僕らの分も代わりに
生きようとしてくれたのに







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