あかぎれ
最後の客を見送って
白み始めた空に唾を吐いた
登録数の少ない電話帳は
久しぶりの休日を持て余す
彼の指紋を覚えている
眼鏡が斜光で透けたときだった
私の顎を見ながら話す人
名前ももう思い出せないけど
生きているのは野良猫だけだ
スーツは満員電車に押し込まれ
地獄にでも行くのだろう
白く跡になったその渦が
単調な日々を連れて渦巻いて
久しぶりの休日を持て余す
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