ショーケースの姫君は



産まれたときはマシュマロで
みんなが私を愛していたわ

ママは魔法使いだったから
「かわいいかわいい特別な子」
そういう魔法をかけてくれた


5つのときは綿アメで
みんなが妹に夢中だったけど

パパは太った財布から
紙切れを引っぱり出しては
喜ばしてくれたのを覚えてる


9つのときはゼリービーンズで
みんなが私を大人だと云って

眉毛を整えたりしてみたけど
ママは気づいてくれなくて
私は陰であの子を打ったりしてた


12のときはアップルパイで
みんなが私を覗き込んでたの

パンツをチラッと見せるだけで
男の子は私に好きだと云った
私はみんなに好きだと云った


15のときはオレンジピールで
みんなが私を無視したわ

カースト制度を牛耳っていた
彼女の彼に手を出したのが
そんなに気に障ったのかしら


18のときはフロマージュで
みんなが全能感に溺れる時期

猿共はこぞってヴァギナに
ペニスを突っ込みたがったけど
私はフロイトに恋してた


22のときはジャムパンで
みんなが指輪に憧れだしたわ

ここらへんでヒールを脱いで
自分の身長に絶望したの
外反母趾の私の足は醜くて


27のときは冷凍ミカンで
みんなが錬金術を会得したけど

ATMを一家に一台ご所望で
いつから物差しが変わったのか
私は甘いお菓子じゃなくなっていた








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