ジュバク



同じ速度で歩いてくれる
あなたと肩がぶつかった時に
彼のことを思い出したの
私はいつも歪んだ背骨を
追いかけていたこと
もうずっと前の話だけれど

トースターで焼いてくれた
ロールパンを半分こした時に
彼のことを思い出したの
私はいつも手の込んだ朝食を
用意していたこと
もうずっと前の話だけれど

何も悲しくないし、寧ろ幸せよ
こうしてあなたが隣にいてくれる


あなたが記念日にくれた
プラチナの指輪を通した時に
彼のことを思い出したの
私はいつも自分の時間を
犠牲にしていたこと
もうずっと前の話だけれど

何も悔やんでないし、寧ろ幸せよ
こうしてあなたが未来をくれる



ただ
彼のことを思い出したの

あなたが毛布をかけてくれた時
あなたが風邪を引いた時
あなたがプレゼントしてくれた時
あなたがただいまと云った時
彼のことを思い出したの

彼のことを思い出すの








「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -