残滓



粘着いて絡む白濁は
答を知っていたけれど
私の粘膜ではそれを
上手く吸収できなくて

鼻孔を掠めた牡の匂いに
何時だったかの貴方が弾けて
鼻の奥をつんと刺した
溢れたものは涙よりずっと純粋で

愛は空しいほどに一過性
貴方から私が薄れてしまうのなら
そうなる前にいっそ取り上げて

一生抱えていれば良いと
貴方の中に私を残して来たまま
もう取り返し方も分からない







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